イーサリアム保有者の6割、ETH2.0移行後にステーキングを予定=ConsenSys調査
ETH保有者の3分の2がステーキングを検討
イーサリアムの次世代ブロックチェーン『ETH2.0』に移行した際に、「自身のETHをステーキングする」と回答した保有者が全体の約66%を占めていたことが分かった。
イーサリアムのブロックチェーン技術を専門に扱うConsenSysが実施した、ETH保有者のステーキング・カストディ機能に関する調査レポートで明らかとなっている。
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イーサリアム保有者287人を対象に行われた今回のオンライン調査では、全体の内、65.9%が「ステーキングを予定している」と回答。14.6%は「まだ分からない」とし、2.8%が「ステーキングは行わない」とした。
「ステーキングを予定している」とした回答者の内、約半数が自身でバリデータ・ノードを起動すると話し、残りの半数はステーキングサービスを提供する第三者機関を利用する予定と答えている。
第三者機関を利用する場合に予想される年利は7.6%で、自身でノードを立てステーキングを行った場合に予想される年利は5.8%と減少している。
同調査によれば、自身のノードでステーキングを行うと答えた層には、以下のような傾向が観察されたという。
- 比較的、多くのETHを保有している
- イーサリアムの経済的なエコシステムに深い理解がある
- 保有するETHの大部分をハードウォレットに保管している
一方で、ステーキングを行わないと答えた回答者は、前述した回答者とは対照的に、他のグループと比べETH2.0のエコシステムへの理解度が最も低いことが指摘された。
ステーキング割合
自身のノードを立てるとした回答者の42.5%は。保有するETHの50%以上をステーキングする予定だと話した。また5人に1人の回答者は保有ETHの90%以上をステーキングするとしている。
ほかに、35.1%は保有するETHのうちステーキングするコインは50%以下と回答し、7.4%は考えを明かさなかった。
ETH2.0のステーキング報酬
先月には、「ETH2.0」へ移行後のステーキング報酬を算出する計算機がリリースされた。現在から10年後までのステーキング報酬の推移がチャート形式で表示される仕様となっている。
現在、イーサリアム2.0において各バリデータは最大32ETHのステークを可能としているが、それを基に、この計算ツールを使用すると、以下のような値が算出される。(ETH金額は執筆時点の価格を利用)
年 | ステーク量 | ETH報酬(日本円表記) | ROI(%) |
---|---|---|---|
0 | 32.00 (¥726,045) | – | – |
1 | 36.56 (¥829,508) | 4.5600 (¥103,463) | 14.25% |
2 | 41.76 (¥947,715) | 5.2098 (¥118,207) | 30.53% |
3 | 47.72 (¥1,082,766) | 5.9522 (¥135,051) | 49.13% |
4 | 54.52 (¥1,237,062) | 6.8005 (¥154,296) | 70.38% |
5 | 62.29 (¥1,413,346) | 7.7695 (¥176,284) | 94.66% |
一年目の年間利回りは14.25%で、10年間で278.94%の利回りに達する計算だ。
注意すべき点として、上述したように、各ノードの最大ステーク量は32ETHと決定されているものの、複数のノードを使うことで、実質的には32ETH以上のステークも可能となっている。ステーキングメカニズム(PoS)となるのは、ETH2.0の最初段階「フェーズ0」だ。
ConsenSysの調査によれば、自身でノードを立てステーキングを行うと答えた回答者の内、59.3%が2つ以上のノードを立てるとしており、41以上のノードを立てるとした回答者が全体の6.8%を占めている。
また、eth2calculatorは、「ステーク数/供給数の割合が高ければ高いほど、利回りが低くなるが、524,288ETHのステーク数に達していないと、報酬は発行されない仕組みとなる」と、説明。つまり、ステーキングの運用では常に一定数以上のETHがロックアップされる必要があり、PoW版ETHとは根本的に異なる需給関係になる。
参考:Ethereum 2.0 Staking Ecosystem Report
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