NEMのシンボルで著作権管理 ネムベンチャーズが企業出資
新たなベンチャーへの投資
NEMベンチャーズが、新たにSymbolを利用してタイムスタンプソリューションに取り組むSharpSharkに出資したことを発表した。
著作権の保護の分野において、知的財産のトークン化や、著作権侵害の自動監視等の実現を目指す。
SharpSharkは、クリエイターのテキストや画像のデジタル署名を著作者の詳細とともにSymbolブロックチェーンに発行することで、本人の手による著作物であることを証明する。また、著作者の情報取り扱いに関しては、EUのGDPR(一般データ保護規則)に準拠した形で行われる。
同社のCEOで共同創設者であるSasha Ivanova氏は「Symbolは階層化構造を持っており、信頼を必要とせずパフォーマンスの最適化が可能であることが、我々のソリューション(サービス)にかみ合った」とコメントした。
今後、SharpSharkは、メディアや、学問分野、コンテンツプラットフォームなどで、盗作を防ぐことなどにユースケースが想定されるとしている。
ファイナリティ、オプトインについて
また、NGL(NEMグループ)のDavid Shaw CEOは、Symbolの開発について現在作業が進められている、ファイナリティとオプトインについてのコメントを発表。ファイナリティの検証作業については、6月に外部の検証企業による作業の遅れが報告されていたものだ。
ファイナリティとは、期待通りの金額の決済が確定されることを意味し、「ファイナリティのある決済」などと表現される。ビットコインなどは、あくまで確率的に決済が覆ることが考えられなくなる仕組みで、即座にファイナリティがあるとはいえない。
今回のコメントでDavid氏は、改めてファイナリティのソリューションを実装することの大切さを強調し、ロードマップに遅れが出てもショートカットすべきでないとの考えを示した。
作業の進捗については、ファイナリティについて2つのアプローチを検討してきた中で、最終的にどちらの選択肢をとるかの検証段階に達しようとしており、その外部による検証が2週間、その後に開発が始まり、検証内容やそれに基づく判断によっては、さらに2~6週間かかるとした。
さらに、これらの課題はオプトインにも影響を与えることから、ファイナリティの問題を解決することは、オプトインのスタートを今から4~6週間後にすることになり、つまるところテストネットのローンチは遅れることになることを明かした。
David氏
ファイナリティは過去四半期にわたって結論を出すために取り組まれてきており、その時期を見積もることは難しいですが、プロセスの終わりには近づいています。
検証が終わり次第、更なる進捗状況や今後についてを2週間以内に伝えるとしている。
参考:「Finality and Opt in update」
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