米内国歳入庁、仮想通貨に係る新たな課税対象を公表

IRSの動き

米内国歳入庁(IRS)が最新の行政文書(覚書)で、新たな仮想通貨課税対象を公表したことがわかった。

新たに、「クラウドソーシング」のプラットフォームで実行されたマイクロタスクの完了で得られる報酬を「仮想通貨」で取得したケースも課税所得になると公表。1ドル以下の小額の報酬の受領など、小額決済も対象になると明確にした。

「クラウドソーシング」は、オンライン上で様々な仕事の受注を行う仕組みのことで、業務を専門とする業者が行なっていた仕事を不特定多数のメンバーが集まって作り上げる仕組みや、オンライン上の小規模タスクを受注するお小遣い稼ぎのような仕組みまで、対象範囲は幅広い。オンライン上での国際的な受注ケース、受注金額が低いマイクロペイメントの領域など、仮想通貨を応用するケースも世界的に増加傾向にある。

この覚書は、IRS内部の「小企業・自営業部門」からの質問に答えるための文書で、主にマイクロタスクに関連する仮想通貨所得に対するIRSの課税範囲を定義している。

覚書の内容で、「クラウドソーシングやその類のプラットフォームで個人がマイクロタスクを行い、得た仮想通貨は課税所得に該当するか」との質問に対し、「該当する」との回答が記述された。

IRSの「所得税および会計部門」の責任者Ronald Goldsteinはマイクロタスクについて、データの入力、スマホアプリの口コミ掲載や、アンケートの協力、オンラインサービスの登録など様々な種類があり、1つのタスクにあたり支払われる仮想通貨の金額が1ドル以下になることも多い、と説明した。また、所得税の規定では、金額によらず、それら支払われる報酬のすべてが課税対象に該当する、と明確にした。

IRSは2014年より、ビットコインおよびアルトコインを課税財産として課税している。直近では、仮想通貨の確定申告を怠った納税者に対し、申告の見直しを促していることがわかっている。

関連米IRS、2020年度確定申告で仮想通貨取引への回答が必須に

参考:IRS

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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