マネックスG社長「仮想通貨の未来は明るい」|6月前後が転換期となるか

5月~7月が仮想通貨市場の転換期?
コインチェックが2ヶ月で金融庁登録目指すと発表され、G20の結論を受け規制案が7月に提出されます。ただし、マウントゴックスの16万BTC、BCH問題や、テザー(USDT)問題が長期の懸念点として挙げられます。

仮想通貨市場は2018年に入ってから好調とは言えません。

最高値200万円を超えていたビットコイン価格は、2018年4月6日現在、70万円台前半を推移しています。

各国の規制状況が活発化し、GoogleやTwitterでの仮想通貨関連広告が規制され、日本においてはコインチェック事件後、金融庁の審査が厳しいものとなっています。

そんな中、コインチェックのマネックス完全子会社化のニュースと、金融庁登録への見通しが立ったこと(確定ではない)は、好材料として捉えられています。

仮想通貨について、マネックスグループCEO 松本氏は、以下のように述べました。

仮想通貨に関しては、大変重要な資産クラスになっていく。

私自身、3年ほど前からコインチェックを利用して個人的に仮想通貨を所有している。昨年から勉強のため秋葉原でグラフィックボードを購入して自作PCでマイニングを始めてみたりするなど、大変興味を持ってきた。

仮想通貨の時価総額が、一旦約50兆円にまで成長するほどの市場は、やはり無視できない規模感であり、1兆円未満であればそのまま消えていく可能性もあるが、この規模にまで成長したのであればこれからも拡大する新しい資産クラスである。

歴史上に存在する、全ての金の総額:800兆円程度の価値を持つ「金(ゴールド)」ですら、99.9999%の刻印があったとしても偽物の可能性はあり、金庫で保管していても盗まれる可能性はある。

真正性を証明し、盗難されないようにするという観点であれば、仮想通貨は金よりも軽く持ち運びなどに優れており、資産所有の手段としても、さらにメジャーになる可能性がある。暗号資産の未来は大変明るい。

この発言は、長期的目線で見た仮想通貨の未来についてのものです。

ただし、投資家の方々が気になるのは、直近、長くて数ヶ月~1年ほどの動向でしょう。

その範囲で影響があると予測される材料をまとめました。

目次
  1. コインチェックが2ヶ月で金融庁登録目指す
  2. G20の結論を受け規制案が7月に提出される
  3. マウントゴックスの16万BTC、BCH問題
  4. テザー問題
  5. まとめ

コインチェックが2ヶ月で金融庁登録目指す

4月6日の記者会見で、マネックスグループCEO 松本氏は記者の質問に対し、以下のように回答しました。

交換業登録が”2ヶ月程度”という点に根拠はあるのか みなし事業者のままサービス再開する可能性はあるのか  

2ヶ月は、あくまで我々の目標である。

コインチェックが推進してきた内部管理体制の構築・強化は前進しており、もちろん金融庁の判断次第だが、2ヶ月以内に登録できると踏んでいる。 金融庁次第だが一般常識では、コインチェックのサービス全面再開も「パッケージ」として認識しており、同じタイミングになるだろうが、最終的には行政当局が判断することになる。

みなし事業者の審査結果が6月までに発表予定、という金融庁の方針から、2ヶ月という数字は根拠のあるものに感じられます。

あくまでも目標としていますが、日経新聞では、金融庁がコインチェックの登録容認の検討に入る、と報じられており、ユーザーの期待感は高まっています。

コインチェックは昨年、ビットコイン現物取引量国内1位も記録している最大手取引所であるため、その動向は市場に影響を与え得るでしょう。

マネックスグループの傘下に入ることが正式に決定したことを受け、合同記者会見が行われました。IPOも視野に入れる、マネックスグループCEOの松本大氏による会見内容(将来のビジョン)と、質疑応答内容を詳しくまとめています。

G20の結論を受け規制案が7月に提出される

前回のG20では、仮想通貨規制案について投資家から警戒されていました。

しかし、G20で「禁止ではなく、技術革新を妨げない程度に適切な規制を行う」という結論に至り、プラス影響と捉える投資家が増えました。

また、スペインの財務大臣は、「仮想通貨(ブロックチェーン)に関する技術は、政府の福祉政策を拡大させることができるため、取り入れるべきだ。」と言及しています。

最初の規制案については、2018年7月の「第3回財務大臣会議」、また「中央銀行会議」で提案される予定とのことです。

7月開催の次回G20へ向けて、中央銀行総裁、マネーロンダリングに関する金融活動作業部会(FAFT)、経済協力開発機構(OECD)が、G20の規制案を担当。建設的な議論、および規制提案がされる見通しです。

マウントゴックスの16万BTC、BCH問題

マウントゴックス社管財人の小林信明氏が、マウントゴックス社保有の20万BTC、BCHのうち400億円相当を売りに出していた事実が判明し、3月初めに話題になりました。

市場に多大な影響を及ぼしたとみられており、また現在マウントゴックスは16万BTC、BCHを保有しているため、それらの資産の動向も注目されています。

その資産額は現在の価格で1000億円以上にもなります。

マウントゴックス社は2018年3月5日時点でビットコインとビットコインキャッシュをそれぞれ約16万BTC、BCH(現在の相場で約1200億円以上)を保有しています。市場に多大な影響を与える可能性があるため、この資産の行方が注目されています。

テザー(USDT)問題

テザー(USDT)は、米ドルを裏付けとする通貨で、1ドル≒1USDTの価値に調整されている通貨です。

その特性から、法定通貨に変えずに利確したい人、またはビットコインのような基軸通貨としても利用されています。

coinmarketcap.comによると、テザーは仮想通貨全体の取引の約13%を占めています。

その発行元のテザー社が、監査法人との関係性が切れ、USDTの裏付けとなる米ドルが実在するのか怪しまれています。

1日で300億円以上分のUSDTが発行され、相場に影響を与えた可能性を指摘されたこともあります。

テザー(Tether)社が1日で3億ドル(約316億円)分のUSDTを発行し、BTC価格高騰に影響を与えた可能性が各所で指摘されています。関連性が深いとみられるBitfinexとテザー社の不透明さを多くのユーザーが批判しています。

一方で、仮想通貨取引所のBitMEXは調査書で、プエルトリコの金融機関であるNoble Bankとテザー社が取引関係を結んでいる、という可能性を指摘しています。

仮想通貨のスタートアップ企業であるTether社が、プエルトリコの金融機関であるNoble Bankと取引関係を結んでいる、という新たな調査結果がBitMEXにより明らかにされました。しかしながら、どちらの企業も本件に関するコメントを避けています。

まとめ

こうして材料を並べてみると、6月にある程度の一区切りがつく印象があります。

よって、今後の仮想通貨市場について、重要なのは6月前後(5~7月)だ、と考える人も多いと思われます。

昨年問題視されていたビットコインの手数料やトランザクション詰まりは、大幅に改善しています。

また、ライトニングネットワークなどオフチェーン技術開発進展もあり、解決の方向に向かっていることで楽観視している投資家が多く、悪材料が出切ったとみて底を打つ可能性もあります。

ただし、懸念点はテザー(主にUSDT)とマウントゴックス問題でしょう。

これらが今後どのように影響を及ぼすかを正確に予測するのは不可能ですが、価格上昇を妨げている一因である可能性は高いです。

一方で、新たな好材料として、SECが2つのビットコインETFを承認する方向性に進んでいるのでは、と指摘するニュースも報じられました。

どちらにせよ、イベントが重なる6月前後は要注目と言えるでしょう。

SEC(米国証券取引委員会)が公表した文書によると、ProShares社の提供する「Proshares Bitcoin ETF」「Proshares Short Bitcoin ETF」の承認をSECが秘密裏に進めているとのことです。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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