ナイジェリア、DeFiで信用組合を結成できるプラットフォーム立ち上げ
ナイジェリアで「Xend Finance」ローンチ
ナイジェリアのスタートアップ「Xend Finance」が、アフリカの人々に分散型金融(DeFi)へのアクセスを提供するプラットフォームを立ち上げた。バイナンススマートチェーン(BSC)を使用しており、信用組合や協同組合の会員がDeFiサービスを利用できるようにするものだ。
Xend FinanceのCEO、Ugochukwu Aronu氏はプロジェクトの目的を次のように語った。
アフリカの多くの国の市民にとって、他の地域と比べて法定通貨の価値が大きく変動し、しばしば大きく切り下げられることが問題となっている。
私たちのプラットフォームとバイナンススマートチェーンにより、人々は資産の価値下落を心配することなく、貯蓄を安定した通貨で行うことができる。また、DeFiを通じてより高い金利を得ることも可能だ。ブロックチェーンがアフリカの人々に恩恵をもたらすことを、とても楽しみにしている。
バイナンススマートチェーン(BSC)の上にプラットフォームを構築した理由としては、速度、クロスチェーン送信のサポート、低料金、イーサリアム(ETH)仮想マシンとの互換性などの機能が魅力的だったと述べる。
スマートコントラクトで信用組合を構築
プロジェクトの企画書によると、Xend Financeのユーザーは、スマートコントラクトを用いて信用組合となるグループをプラットフォーム上で結成し、貯蓄、貸し付け、投資などを行うことが可能だ。
グループは、スマートコントラクト上でユニークなIDを持つ。グループの作成者は、最初に預金額やグループへ寄付金を預ける時間的間隔など、事前にその信用組合のルールを定義。こうしたルールはスマートコントラクトに保存されることになる。
会員は、手持ちの暗号資産(仮想通貨)や法定通貨をステーブルコインと交換したり、貸出プラットフォームに仮想通貨を預けて利回りを得ることなど、様々な機能にアクセス可能だ。なお、プラットフォームは個人の貯金にも利用できる。
Xend Financeは、メインネット立ち上げと同時に、独自の仮想通貨「XEND」トークンを発行。プラットフォームのユーザーは、このトークンを使用して、プロトコル内で行った様々な操作について報酬を得ることが可能だ。また、Xend Financeエコシステムの分散型ガバナンスを可能にするトークンでもある。
プロジェクトのブログによると、Xend Financeは、自律分散型組織(DAO)として構築されており、XENDトークンを保有するメンバーが、ガバナンスや機能について投票できるようになることが重要だという。
自律分散型組織(DAO)とは、一般的に中央管理者が存在せず、その参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる、分散型の自律組織を意味するものだ。
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バイナンスも早くから支援
公式ブログによると、Xend Financeのコミュニティは順調に成長している。1月にネットワークのテストを実施した際には、75カ国から1,500人以上が参加した。2月には、アフリカの大手信用組合ともパートナーシップを結び、3月には、TelegramやTwitterなどSNSのフォロワーが数万人を超えたという。
バイナンススマートチェーンを提供するバイナンスのCEO、CZ氏は次のようにコメントした。
アフリカ大陸は、DeFiとブロックチェーンの将来性を象徴する、最も重要な場所の一つだ。
私たちが早くから支援してきたチームの下で、Xend Financeのメインネットがローンチされて非常に嬉しい。チームはアフリカに強固な地盤を持っており、バイナンススマートチェーンで達成できることの賛同者でもある。
Xend Financeのプラットフォームにより、今まで機会を得られなかった人々にステーブルコインやDeFi投資を提供することができる。
バイナンススマートチェーン(BSC)は、2020年9月にバイナンスが立ち上げたもので、DeFiプラットフォームとして人気が上昇中。DApps(分散型アプリ)が利用可能で、バイナンスの独自トークン「BNB」を使うとイーサリアムよりも手数料が安くなることも人気の理由とされている。
一方で、DeFiという新興分野を扱っていることもあり、最近は詐欺プロジェクトによる被害も続いている。プロジェクトの信頼性確保は今後の課題となりそうだ。
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