Parity社:約340億円のイーサリアム凍結問題で”分裂”を行う意思はない
- ParityのETH凍結問題
- Jutta Steiner氏とavin Wood氏によって設立されたParity Technologies は、2017年にマルチシグウォレットのスマートコントラクトライブラリ内のバグによって、”約340億円相当”のイーサリアム(ETH)を凍結させる問題を引き起こしてしまいました。
- イーサリアムのフォークは行わない方針
- かつて「The DAO」事件でコミュニティの分裂が起き、イーサリアムとイーサリアムクラシックに分裂してしまったこと歴史があることもあり、今回のETH凍結事件でのフォークが懸念されていましたが、同社は”今回の事件でフォークを実施する意思はない”ことを発表しました。
The DAO事件以来の分裂を危惧
Parity Technologiesは、同社のマルチシグウォレットのスマートコントラクトライブラリ内のバグによる、3.2億ドル(約340億円)以上のETH凍結問題において”イーサリアムチェーンを分裂させる意思はない”と声明の中で発表しました。
Parityの共同創業者のJutta Steiner氏及び、Gavin Wood氏(以下、Wood氏)は声明の中で、2016年に発生した「The DAO」事件によって失われた資金を戻すことを目的とした臨時対応が、イーサリアムとイーサリアムクラシックの分裂を引き起こしたことを教訓に、今回のETH凍結によるイーサリアムブロックチェーンの分裂を行う意思はないことを明らかにしました。
彼らは、以下のように記述しています。
Parityは、2017年から外部ウォレットライブラリコントラクトの自己破壊を許容してしまった600以上のマルチシグウォレットのソフトウェアバグによって凍結されている513,000ETHの回復させるため、今後も取り組んでいく方針です。
その半分以上の資産はWood氏によって設立された「Web3 Foundation」のものであり、彼はParityに関わりを持つ以前は、イーサリアムのCTOを務めていました。
声明では、
「Parity Technologiesのメンバーは、コードの欠陥によって、各々のイーサリアムが凍結されてしまっているユーザーのみなさんに多大なる迷惑をお掛けしてしていることを申し訳なく思っている。」
「私たちは影響を受けているプロジェクトとの議論を重ねており、ウォレットの凍結や、EIP-156で挙げられている問題によってイーサリアムが凍結されてしまっている人々が、資産の回復を願っていることは重々承知している。」
と記述されました。
ただし現時点で、自己破壊されたスマートコントラクトの標準回復の作成などを含む、資産回復に向けたフォークは、イーサリアムコミュニティから反対を受けています。
最近Parity開発者は、Parityの自己破壊されたマルチシグウォレットコントラクトライブラリ及び、Parityのみのコントラクトの回復を提案する「EIP-999」を提出しました。
このEIPは過去のもの同様にさまざまな議論が行われており、このイーサリアムフォークが将来的に決行されることで、反対派のユーザーがソフトウェアアップグレードを拒否し、相反する2つのブロックチェーンの作成に繋がってしまうことを一部の開発者が危惧、コミュニティも問題視していました。
Parity Has ‘No Intention’ to Split Ethereum over $320 Million in Frozen ETH
Apr 26, 2018 by Josiah Wilmoth
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