はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 取引所 WebX
CoinPostで今最も読まれています

日本のステーブルコイン市場、規制環境と事業機会を議論|WebX Fintech EXPO powered by SBI Group

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

8月22日、大阪で開催された「WebX Fintech EXPO powered by SBI Group(WebX大阪)」において、「ステーブルコイン発行の最前線:規制とビジネスの融合」と題したパネルディスカッションが行われた。

日本最大のWeb3カンファレンスWebXが主催し、SBIグループとCoinPostが企画・運営する本イベントで日本におけるステーブルコインの規制環境とビジネス機会について、金融機関とフィンテック企業の代表者が活発な議論を交わした。

登壇者

  • 磯和啓雄 氏 – 株式会社三井住友フィナンシャルグループ 執行役専務 グループCDIO
  • 齊藤達哉 氏 – 株式会社Progmat 代表取締役 Founder and CEO
  • 榊原健太 氏 – Circle Internet Group Country Manager, Japan
  • 坂上謙太 氏(モデレーター) – DeFimans 取締役 COO/CFO

日本と米国の規制環境

榊原氏は、日本の規制環境について「日本はステーブルコインの規制を世界に先駆けて導入した」と評価。一方で、日米の規制の違いとして「日本では取引金額に100万円の制限が設けられている」点を挙げた。

磯和氏は、米国でステーブルコインが急速に広がっている背景について「米国では裏付け資産となる国債金利が高く、それが成長を後押ししている」と説明。テザー社とサークル社の合計で「日本円で30兆から40兆円規模」になっていると述べた。日本については「国債金利が長期にわたり低水準であるため、同様の成長は見込みにくい」という金融環境の違いを指摘した。

キャッシュレス決済からの教訓

磯和氏は、ステーブルコインの必要性について、キャッシュレス決済の普及を例に説明。2015年から2016年頃には「日本は安全な国で偽造通貨がなくATMが充実しているため、キャッシュレスは進まない」という意見が多く聞かれたことを振り返り、現在の普及状況と対比させた。

同氏は「現金ではできないことがステーブルコインで可能になる」と指摘。「米国で急速に普及している中、日本が対応しなければ非効率的な国になってしまう」と警鐘を鳴らした。

事業者視点での課題

齊藤氏は、Progmatについて「MUFGの新規事業として開始した」と説明。2023年10月にSMBCやSBIなどが株主パートナーに加わり、「ステーブルコインを含めた金融のトークナイゼーションインフラを提供する企業」として活動していると述べた。

規制対応の課題について、齊藤氏は「銀行が発行する場合と、クリプト系企業が発行する場合で、適用される規制が異なる」と指摘。資金決済法の制限について「第二種資金移動業では100万円の上限がある」とし、「リテール決済では100万円を超える送金ニーズは限定的」としながらも、「ホールセール決済では異なる規制要件が発生する」と述べた。

技術インフラの選択

榊原氏は、CircleのUSDCが「24のブロックチェーンにネイティブ対応している」と説明。パブリックブロックチェーンの利点として「オープン性」「ネットワーク効果」「グローバルアクセス」を挙げた。一方で「手数料の変動性と予測困難性」「エンタープライズ企業における機密データの管理への懸念」という課題も指摘した。

齊藤氏は、バーゼル規制について「パブリックチェーンで発行された資産には、基本的にリスクウェイトが1250%適用され、銀行は多額の自己資本を保有する必要がある」と、銀行にとってのハードルを説明した。

具体的なユースケース

磯和氏は、企業向けのユースケースとして「国際的な大企業や商社は、CMS(キャッシュマネジメントシステム)によって世界の拠点の資金をプーリングしている」と説明。「時差により、シンガポールやニューヨークの資金移動が一晩遅れることは頻繁にある」と課題を指摘し、「社内ステーブルコインを活用してリアルタイムに資金を集約すれば、企業の資金効率が大幅に改善される」と提案した。

齊藤氏は、既存の決済サービスとの違いについて「各決済サービスは社内のデータベースで管理されており、サービス間の相互運用性がない」と説明。「同じ技術規格の上に複数のステーブルコインが載ることで、銘柄間の交換が既存の決済サービスと比較して格段に容易になる」とステーブルコインの優位性を述べた。

今後の展望

齊藤氏は「先月の法案と今週のJPYCの動向は、日本の金融市場にとってウェイクアップコールとなった」と評価。「ステーブルコインに取り組まないことがリスクであることが明確になった」と述べた。

磯和氏は「2〜5年先を考えると、AIとステーブルコイン、セキュリティトークンには高い親和性がある。AIが自動的に運用を判断し、グローバルに資金を動かす時代が間もなく到来する」と将来像を語り、「この分野で遅れを取ると、AIの活用においても遅れを取ることになる」と締めくくった。

2025年8月25日-26日 東京開催

WebX 2025

CoinPost主催 - アジア最大級のWeb3カンファレンス

注目のスピーカー

Web3・仮想通貨業界を代表する世界トップクラスのスピーカーが東京に集結。 最新技術動向から投資戦略まで、業界の未来を形作る貴重な議論をお届けします。

その他の注目スピーカー

アーサー・ヘイズ

BitMEX、Maelstroom創設者

オードリー・タン

台湾の元デジタル大臣

堀江 貴文

実業家

宮口 あや

イーサリアム財団理事長

松本 大

マネックスグループ会長

ヨーロピアン

個人投資家(仮想通貨)

テスタ

個人投資家(株)

岐阜暴威

個人投資家(株)

WebX 2025について

WebX 2025は、CoinPost企画・運営による日本最大級のWeb3・仮想通貨カンファレンスです。2025年8月25日から26日まで、東京のザ・プリンス パークタワー東京で開催されます。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
04/11 土曜日
14:15
バイナンスなどが「Pre-IPO」取引を提供開始 SpaceXなど、個人投資家層もアクセス可能に
バイナンスウォレットやビットゲットが、SpaceXやOpenAIなどのPre-IPO取引を仮想通貨プラットフォームで提供開始。従来は機関投資家に限定された投資機会が個人層に拡大する一方、直接所有権なしなど構造的な制限がある。
13:40
分散型AI「ビットテンソル」の最有力プロジェクトが離脱 集権化を批判
分散型AIネットワーク「ビットテンソル」の主要サブネット運営者Covenant AIが中央集権的支配を批判し、離脱を宣言した。TAOトークンの価格にも影響を与えている。
11:45
米FRB、大手銀のノンバンク融資関与状況を調査 市場不安が仮想通貨に与える二面性を分析
米連邦準備制度理事会(FRB)が、大手銀行に対しプライベートクレジット市場へのエクスポージャー実態を調査中。ブラックストーンでの解約殺到やデフォルト率9.2%到達など、2兆ドル規模の市場で走る亀裂が、ビットコインなど仮想通貨市場に及ぼす短・長期的なシナリオを提示する。
10:20
米イラン停戦合意でビットコイン・イーサリアム急騰、短期的な抵抗線は?=クリプトクアント
米イラン停戦により仮想通貨ビットコイン、イーサリアム両方が急騰した。クリプトクアントは強気継続した場合の短期の上値抵抗線を分析している。
09:30
ビットコイン続騰 原油反落が追い風に、ショートカバー観測も|仮想NISHI
仮想通貨ビットコインは2日連続で続伸した。米国とイランが2週間の停戦に合意した後も、イスラエルによるレバノンへの攻撃は継続しており、中東情勢を巡る地政学リスクは依然として高い状態にある。
09:05
アサヒ衛陶、仮想通貨流動性提供の運用開始 老舗メーカーが事業転換
創業100年を超える老舗衛生陶器メーカーのアサヒ衛陶HDが、仮想通貨流動性提供事業の実運用を開始。主力事業の低迷を受け、円安リスクヘッジと新株予約権で調達した資金の有効活用を目的にデジタル資産運用を本格化させる。
08:02
米CIA、全ての情報分析にAI導入へ 中国の人工知能優位性に対抗
米CIAが情報分析業務にAIを導入する計画を公表。数年以内に全分析プラットフォームへのAI統合を目指す。中国のAI優位性競争に対抗し、情報収集能力の高速化を図る。
07:55
70億円超相当の仮想通貨を特定、米当局などが詐欺の国際捜査を継続
米シークレットサービスは、米国と英国とカナダの当局による捜査によって、詐欺で盗まれた70億円超相当の仮想通貨を特定したと発表。また、19億円相当をすでに凍結したとも説明した。
07:00
米財務省・FRBが金融界首脳を緊急招集、Claude Mythosのサイバー脅威で金融機関に警告
米財務省のベセント長官とFRB議長パウエルが、アンソロピックのAIモデル「Mythos」のサイバーリスクをめぐり、米大手銀行の最高経営責任者を緊急召集。金融システムへのシステミック・リスクとして対応を促した初の高官レベル会議である。
06:15
ワールド(WLD)、7月からトークンのアンロックを大幅減速へ
ワールド(ワールドコイン)が仮想通貨WLDトークンの放出速度を大幅に減速させると発表。今年7月より1日あたりのアンロック量を510万枚から290万枚に削減し、急激な供給増加による市場価格への圧力を緩和する狙いだ。
05:50
ブータン政府が新たに250BTC移動、今週550BTC以上のビットコインを送金
ブータン王国政府が10日に250BTCのビットコインを新規ウォレットに移動。オンチェーンデータから売却意図の可能性が指摘される中、今年の送出総額は2.3億ドルを超えている。
05:00
コインベースCEO、財務長官の「クラリティー法案」可決要請に賛同 
コインベースのアームストロングCEOが、米仮想通貨市場構造法案への支持を表明。報酬禁止条項を巡る従来の反対姿勢から一転し、スコット・ベッセント財務長官が求める早期の法制化に賛同した。
04/10 金曜日
20:00
産官で語る円ステーブルコインの現在地、機関投資家参入と通貨主権|TEAMZ WEB3/AI SUMMIT 2026
TEAMZ SUMMIT 2026のパネルセッションにJPYC岡部氏、Progmat齊藤氏、財務省鳩貝氏が登壇。100万円制限の突破策、日銀当座預金のトークン化、円をグローバル2位のステーブルコインに育てるビジョンを議論した。
18:40
業界キーパーソンがステーブルコインとAI決済の未来を議論|TEAMZ WEB3/AI SUMMIT 2026
TEAMZ SUMMIT 2026のXRP Tokyoパネルで、楽天ウォレットがXRPを含む5銘柄の現物取引を来週から開始すると表明。SBI VCトレードはRLUSDを今年中に取り扱い開始する方針を示した。
17:55
ホワイトハウス、職員にインサイダー取引を警告 イラン停戦前の不審取引が発端=報道
ホワイトハウスがイラン停戦前の原油先物や予測市場での不審取引を受け、機密情報を利用したインサイダー取引を禁じる内部通達を全職員に発出した。
今から始める仮想通貨特集
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧