保ち合い下放れでビットコイン再び苦境、オンチェーンデータの後退も
ビットコイン相場と金融マーケット
8日の暗号資産(仮想通貨)市場。 ビットコイン価格は、ペナントを下抜け下げ幅を拡大。前日比-8.7%の366万円(33,470ドル)と大幅続落した。
現在は21年1月〜2月上旬のレンジ内で推移する。33,000ドルのサポートラインで反発したものの、買いが続かず情勢は厳しい。年初来安値は、1月4日に付けた27,678ドル(約300万円)。
オンチェーンデータは低下率が顕著に
ビットコインのオンチェーンデータ分析業Glassnodeが7日に掲載した週次レポートでは、ビットコインのネットワークアクティビティが活動を鈍化させたことを示した。
先日の暴落前のビットコインネットワークでは、3年前の仮想通貨バブル(2017年12月)のピークに匹敵する1日あたり約115万のアクティブアドレスが確認されたが、現在は-18%低下した。
アクティブエンティティ数は、最高値375,000から約250,000まで減少しており、BTC価格の大幅下落に伴い、保有ポジションあるいはデジタル資産に対する市場関心の後退を示している。3年前は、暴落に伴いわずか数日で-33%以上下落していた。
大手分散型取引所Uniswapにおける日次取引量は、5月中旬にピークを迎えてから-28%減少しており、イーサリアム関連するDeFiトークンの需要が鈍化していることがわかる。
短期保有者の多くが損益を確定する一方、ビットコインの循環供給量の内58%以上に相当する「1,090万BTC」を保有する長期保有者(LTH)を含むネットポジションの分析データでは、ディストリビューション(売り抜け期間)からアキュミレーション(買い集め期間)に移行しつつあることも確認された。
個別銘柄の動向
時価総額18位のTHETA価格が、前週比+26.7%に。一時10ドルを回復する場面があった。
Theta Networkは、動画の配信プラットフォーム(THETA.tv)を提供し、ネットワークを維持するため、ThetaトークンをノードにステーキングするというPoS系の仕組みを整える。
メインネット3.0のローンチ予定を30日に控えており、ガストークンTFuelのエコシステムが実装され、シータフューエル(TFUEL)のステーキング(Elite Edge Node)やバーンなどの仕組みが導入される予定だ。
Theta Labsの創業者「Jieyi Long(@jieyilong)」氏が開示したThetaネットワークデータによれば、ノード数は3,570まで増加し、プロトコルにロックされたTHETAトークンは60%に達した。
5月27日には、大物歌手やハリウッド俳優を多数抱える米大手エージェンシー「Creative Artists Agency(CAA)」がThetaのバリデーターノードを実行し、ガバナンスと検証を支援することがわかった。Google、サムソン、ソニーなどの他のエンタープライズバリデーターに加わることが判明したことも買いの手がかりとなった。
今年3月時点では、Sierra Ventures、Heuristic Capital、VR Fund、GFR Fundが100億円(1億ドル)相当のThetaを「エンタープライズバリデータノード」にステーキングしており、当時の運用資産額は約2,200億円を超えていた。
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