韓国の銀行、仮想通貨取引所との提携見直しへ=報道

仮想通貨取引所との提携関係を見直し

韓国の新たな暗号資産(仮想通貨)取引所ライセンス制度に関連して、銀行が現在、取引所とのパートナーシップの見直しを行っている。銀行と提携できない仮想通貨取引所が閉鎖に追い込まれる可能性も浮上しているところだ。地元メディアYonhap News Agencyが報道した。

韓国では、仮想通貨取引所にマネロン対策を義務付け、当局に事業登録する法令が施行されており、既存事業者は今年の9月24日までに韓国金融委員会(FSC)に属する金融情報分析院(FIU)にライセンス登録する必要がある。

関連:韓国、マネロン対策の仮想通貨取引所ライセンス制度を開始=報道

FSC

公正な金融取引の慣行を確立し、金融需要者の保護を目的とした韓国の国家行政機関。Financial Service Commission(金融委員会)の略。韓国国内のICO(仮想通貨の新規公開)を全面禁止するなど仮想通貨業界にも影響力を行使している。

▶️仮想通貨用語集

認可を受けるために取引所は、銀行と提携してユーザーの実名口座を開設しなければいけない。登録後、取引所は当局の定期的な監視の対象になる。提携する銀行も監視の対象となり、顧客身元確認(KYC)やマネーロンダリング防止(AML)の手順を実行しているかどうか監督される仕組みだ。

韓国では、これまで実名口座が義務付けられていなかった状況で、現時点で銀行とのパートナーシップを確立している仮想通貨取引所は、Bithumb、Upbit、Coinone、Korbitの4つのみである。

Yonhap News Agencyによると、Kバンク、NH農協銀行、新韓銀行は現在、この4つの取引所について、マネーロンダリングのリスク評価を行っているところだという。

銀行はまず、取引所の要件について査定する。例えば、適切な認証を受けているか、関連法に違反していないか、ユーザーごとに取引を分類管理しているか、また過去の履歴などを確認する。

こうした書面による必須要件のチェックが完了すると、次の段階としてマネーロンダリングのリスクや内部統制の適切性について項目別に点数が付けられていく見込みだ。その後に銀行は仮想通貨取引所との契約を更新するかどうか、最終的に判断することになる。

苦境に立たされる中小取引所

銀行とのパートナーシップをめぐっては、特に先に言及した4つの大手取引所(Bithumb、Upbit、Coinone、Korbit)以外の、まだ提携銀行を持たない取引所が苦境に立たされているようだ。実名口座について銀行に相談をしようとしても、銀行がなかなか会ってくれない状況があるという。

ある取引所の関係者は、Yonhap News Agencyに「大手の商業銀行はすでに仮想通貨取引所との提携を行わないことを決めており、契約が困難になっている。いくつかの地方銀行に連絡を取ろうとしているところだ」と語った。

The Korea Timesによると、金融委員会(FSC)は銀行に対して、顧客身元確認手続きを遵守していない取引所へのサービスは拒否し、疑わしい取引を当局に報告することを求めている。

一方銀行業界からは、関連する責任を負わされることを懸念する声も上がっているところだ。仮に、ある仮想通貨取引所で金融犯罪が発生し、被害にあった投資家が「銀行によって評価されていた取引所だから信頼した」と主張した場合、銀行の責任が問われる可能性もある。

このために業界団体である韓国銀行連盟は、一定の条件のもとで、銀行が金融犯罪について責任を免除されるルールを議論しており、このルールを金融委員会に提案する方針だ。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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