ビットコインを巡る立場の違いが鮮明に:経済界大物4名による過激発言の応酬
- 金融マーケットの転換期
- 新しい資産クラスである仮想通貨の是非について、ウォーレンバフェットやビルゲイツなど伝統的な一部大物投資家は、以前より一貫した拒絶反応を示しています。一方、イーロンマスクなどイノベーションを歓迎する若き大物実業家は概ね好意的に捉えており、論争に発展するケースも珍しくありません。
世界経済の大物4名の見解
Microsoft創設者にして長者番付世界2位の「ビル・ゲイツ」氏は7日、ビジネスニュース(株式・金融商品の情報)を中心に放送するアメリカのメディア「米CNBC」の番組の「スクワックボックス(Squawk Box)」で、仮想通貨について否定的な考えを示しました。
同氏は、以前から仮想通貨における”透明性の欠如”について非難していた節があります。
先日、取締役会の承認を得た「ゴールドマン・サックス」による、仮想通貨市場への参入が報じられたばかりであり、金融市場における大きな転換点となる可能性が指摘されています。
直近で仮想通貨に対する見解を表明した”世界経済の大物”4名による、主な発言要旨をまとめました。
名前(関連会社) | 発言要旨 | |
---|---|---|
否定派 |
ウォレーン・バフェット (バークシャー・ハサウェイ) |
仮想通貨が、悪い結末になることはほぼ確実だと考えている。例えるなら、殺鼠剤を2乗したような(有害な毒のような)殺傷力がある。 |
ビル・ゲイツ (マイクロソフト社) |
ビットコインは資産クラスとして何も生産しておらず、値上がりを期待して投資するべきでない。もし手軽にトレードする手段があるとすれば、私はショート(空売り)することになるだろう。 | |
肯定派 |
イーロン・マスク (テスラ社) |
バフェット氏の提唱する”経済的な堀”の概念は、イノベーションの速度が急速に上がっている現代では”革新”こそが重要であり、すでに時代遅れだ。現在は、Cryptocandy(仮想通貨キャンディ)の設立を検討している。”堀”を作ってキャンディで満たしてみせよう。そうすればバフェットは投資せざるを得なくなるはずだ。 |
ウィンクルボス兄弟 (米取引所Gemini) |
ビルゲイツ氏は、(本気でそう考えているのなら)CBOEビットコイン先物のXTBを実際にショートしてみてほしい。 |
ウォーレン・バフェットVSイーロン・マスク
伝統的な著名投資家や資本家は、新しい資産クラスである仮想通貨に対する批判的な声が多く聞こえます。
ウォーレンバフェット
4月に行われた自身の運用するファンド「バークシャーハサウェイ」の年次株主総会で、仮想通貨に対して『殺鼠剤を2乗したような(rat poison squared)殺傷力であり、有害だ』と、独特の表現で非難するなど、かねてより懐疑的な姿勢を一貫して崩していません。
バフェットの右腕として知られるチャーリー・マンガー氏もこれに同調する形で、『仮想通貨は、”糞の取引”に等しい』として、痛烈批判を浴びせています。
イーロン・マスク
5月2日に行われた収支報告にて、ウォーレン・バフェット氏(以下、バフェット氏)が提唱している「経済的な堀(競争における優位性)」という概念が時代遅れであると主張、イノベーションの速度が急速に上がっている現代では”革新”こそが重要だとしました。
現在は、Cryptocandy(仮想通貨キャンディ)の設立を検討している。”堀”を作ってキャンディで満たしてみせよう。そうすればバフェットは投資せざるを得なくなるはずだ。と発言しました。
アメリカの大手EV企業「テスラモーターズ」や、宇宙開発事業の「スペースX」の創業者として知られるイーロン・マスク氏は、誰よりもイノベーションに敏感であり、仮想通貨とキャンディを組み合わせた会社の設立を「冗談ではなく、真面目な話」だとして示唆するなど、仮想通貨に対しても寛容な姿勢を見せています。
ただ自身では運用しておらず、少なくとも今年2月の時点では、実質的な保有額は(友人からプレゼントされたものだけで)ほぼゼロであることを明かしています。
ビル・ゲイツVSウィンクルボス兄弟
ビル・ゲイツ
長年、世界長者番付の1位にいた「ビル・ゲイツ」氏は、マイクロソフトの会長として知られる世界有数の大富豪です。
同氏は、顧客としても機関投資家としても、仮想通貨に対して直接的に関与するのはリスキーだと考えており、やはり一貫して懐疑的な姿勢を示しています。
ウィンクルボス兄弟
米取引所「Gemini」を運営するウィンクルボス兄弟は、約4年前に1,100万ドル(約12億円)を投資した世界最大のビットコイン長者として知られており、BTCの価格がピークを付けた昨年12月時点で、総額10億ドル以上(約1,126億円)に上る資産を保有していたとされます。
ビルゲイツの発言に対し、Tyler Winklevoss氏は、Twitter上で異議を唱え、挑発的な発言を行いました。
2017年12月に開始されたビットコイン(BTC)先物取引では、投資家は激しく変動する通貨に実際に触れることなく、ビットコインの将来価格に賭けることができます。
先物取引の開始直前に、ビットコイン価格は過去最高の20,000ドルにまで上昇しました。
先物市場は株式ほどよく知られてはいませんが、投資家はTD AmeritradeやInteractive Brokerなどのブローカーを通じて、市場でのポジション(ロングまたはショート)を簡単に取ることができます。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します