仮想通貨取引所Liquid by Quoine、金融庁による業務改善命令の報告義務解除

報告義務が終了

暗号資産(仮想通貨)取引所Liquid by Quoine(リキッドバイコイン)を運営するQUOINE株式会社は2日、2018年6月に金融庁(関東財務局)より受けていた業務改善命令について、継続的な報告が解除されたと発表した。

Liquid by Quoine

Liquid by Quoineは、QUOINE株式会社が運営する仮想通貨取引所。2018年にQUOINEX(コインエクスチェンジ)から名称変更した。セキュリティに定評があり、独自トークン「QASH」を扱っているのも大きな特徴だ。

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行政処分の内容は

金融庁は2018年6月22日に下した同社への行政処分について、以下のように説明していた。

QUOINE株式会社においては、資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第63条の15第1項に基づく当社からの報告及び当庁の検査により、適正かつ確実な業務運営を確保するための実効性ある経営管理態勢が構築されていないほか、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策、反社会的勢力等との取引の未然防止、利用者財産の分別管理及び帳簿書類の管理等に係る実効性ある内部管理態勢が構築されていないことが認められたことから、本日、関東財務局長が当社に対して行政処分を行った。

業務改善命令は以下の7項目だ。

  1. 経営管理体制の構築(内部管理部及び内部監査部門の機能が充分に発揮できる体制の構築を含む)
  2. マネー・ローンダリング及びテロ資金供与に係るリスク管理体制の構築
  3. 反社会的勢力等の排除に係る管理体制の構築
  4. 利用者財産の分別管理体制及び帳簿書類の管理体制の構築
  5. 利用者保護措置に係る管理体制の構築
  6. システムリスク管理体制の構築
  7. 仮想通貨の新規取扱い等に係る管理体制の構築

行政処分を受け、同社の栢森加里矢CEOは当時YouTubeで謝罪し、以下のように述べていた。

創業以来、最大の経営課題と位置づけ実行してきたのが、利用者財産の保護です。つまり、サイバー攻撃や盗難、不正流出対応です。ここは、自信を持って対応してきました。

まだまだ管理体制の強化が必要で、そのために必要なリソースは全て投入します。

また、金融庁は当時、QUOINE社のほか、bitFlyer、BTCBOX、ビットバンク、ビットポイントジャパン、テックビューロにも業務改善計画を提出するよう求めていた。

Liquid by Quoine とはDeFi(分散型金融)の発展を目指す、日本とシンガポールに拠点を持つ仮想通貨取引所。資産を100%コールドウォレットで管理するなどセキュリティに定評があり、独自通貨のQASHなどのアルトコイン建で仮想通貨を交換できることを特徴としている。

Liquidは2017年にICOを行った後、ユニコーン企業として期待されていたが、2018年以降に国内取引所で相次いだ不正流出事件、ICO詐欺の頻発を受けて金融当局が規制強化を進めていくなか、新たな動きが減少していた。

栢森社長はこのブランクについて、「改正資金決済法、改正金融商品取引法への対応に経営資源を注力していたため」と説明しており、今後は第一種金融商品取引業としての登録、そしてシンガポールでの暗号資産交換所の登録を進めるとの方針を示していた。

関連:国内取引所Liquid by Quoine、独自通貨QASH情報などをアップデート

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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