日米株式市場大幅下落で仮想通貨市場全面安も、ビットコイン33000ドル台まで反発
金融マーケット軟調
8日の米株式市場では、ダウ平均が前日比259ドル(0.7%)安の3万4421ドルに。東京株式市場では、日経平均株価が一時前日比500円安の2万7500円台まで下落した。
新型コロナウイルスの変異ウイルス流行により、世界経済回復が想定より遅れる可能性が高まっていることが懸念されたほか、オリンピックの開催が23日に迫るなか、日本政府が東京都に対して4度目の「緊急事態宣言」を発令したことも投資家心理を悪化させた。
仮想通貨相場
9日の暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコイン価格が前日比-1.95%の360万円(32,770ドル)と続落した。
三角保ち合い下放れで下落が加速した格好であるが、短期は売られすぎ水準にあり、足元では33,000ドル水準まで反発した。際どい局面が続いており、3万ドルを割り込めば危険水域に至ることから注視したい。マイナーによるビットコイン採掘能力を示すハッシュレートは、前日比-4.93%の92.7EH/sで推移しており、特に大きな変調は見られない。
Glassnodeのデータによれば、ビットコイン先物市場における全取引所の「Funding Rate(資金調達率)」は、6月16日以降、概ね大幅マイナスに沈んでいたが、7月7日時点で-0.001%まで回復した。
Funding Rateとは、先物トレーダーが建玉ポジションをオープンに保つために支払う(受け取る)必要があるプレミアムを示すものである。5日には-0.017%であったことから、先物に買いが入っていることを示している。
オンチェーンアナリストのWilly Woo(@woonomic)氏が示したデータによれば、今年2月にカナダでローンチしたビットコインの投資信託「ThePurpose Bitcoin ETF」では、グレースケールよりも安価な管理コストを背景に機関投資家の需要が増加し続けており、7月6日には過去最高の保有量となる22,411BTCに達した。
アルト市場の騰落率では、CMC時価総額2位のイーサリアムが-8.67%、4位のバイナンスコインが-6.12%、8位のXRPが-5.23%とほぼ全面安に。ビットコイン下落時には、個人投資家主体のアルトコインで、ボラティリティの激しさが際立つ。
オンチェーンデータ分析
仮想通貨のオンチェーン・データ分析サイトIntoTheBlockのIOMAPインジケーターによれば、直近のトランザクション履歴で30,500ドル〜31,100ドルの価格帯で、314,000を超えるアドレス保有者が241,000BTCを購入している。
IOMAPは、機械学習を用いて現在価格の「+/-15%」の範囲で投資家のポジションを分析。最も関連性の高い10のクラスターを判定したものだ。投資家のポジションを定量化することにより、サポート/レジスタンスラインを補完するための参考データとして使われることがある。
一方、価格帯別出来高の厚い下値支持線を底割れた場合、下げ足を強めるおそれもある。直近安値は22日の28,900ドル(317万円)。年初来安値は、1月4日に付けた27,678ドル(約300万円)だ。
なお、データ分析企業Glassnodeが8日に掲載した、ビットコイン供給量の保有年数を測る「HODL Wave」指標を基にしたデータによれば、中・短期の保有が進んでいることが判明した。以下の記事で詳しく解説している。
詳細:仮想通貨投資家はビットコインを保有か、売却か? Glassnodeのオンチェーンデータ分析
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します