はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨投資家はビットコインを保有か、売却か? Glassnodeのオンチェーンデータ分析

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Glassnode、ビットコイン分析

暗号資産(仮想通貨)データ分析企業Glassnodeは8日、ビットコイン(BTC)供給量の保有年数を測る「HODL Wave」指標を基にした考察を公開。中・短期の保有(HODL)が進んでいることがわかった。

Glassnodeは自社が開発した独自指標「Realised Cap HODL waves」をもとに現在の仮想通貨市場を分析。

Realised Cap(実現時価総額)は一般的に使われる時価総額を改良した指標で、ビットコインの取引履歴(UTXO)を元に最終取引時点での価格を算出する。時価総額は銘柄の市場価値を測るのに対し、実現時価総額はネットワーク上の価値を図る上で有益とされる。

UTXOとは

Unspent Transaction Output(未使用の取引アウトプット)の略。ウォレットから送金(取引)されていない未使用のビットコイン残高を測る指標。

▶️仮想通貨用語集

HODL WaveはUTXOデータを元にビットコイン供給量の内、どれほどの量のビットコインがどれほどの期間、HODL(≒保有)されているかを示す指標となる。今回の分析では、Glassnodeは以下のように保有者を分類した。

  • 若年層:3ヶ月以内
  • 中年層:3ヶ月〜12ヶ月以内
  • 高年層:1年以上

指標の読み方

Glassnode社のデータによると、現在のマーケット環境下で、新規参入も含む若年層(3ヶ月以内)が減少し、中年層(3ヶ月~12ヶ月)が増加している。これは、マーケット全体でビットコインを売却する期間から以降し、保有する動きが強まっている事を示す。また、これが進み、高年層(1年以上)が増加している場合はHODL(ガチホ)傾向がより強まっていると読むことができる。

一方、過去の事例から、中長期のHODLウェーブが急激に減少する場合はビットコインの使用または分配を意味することになり、マイナスの影響に転じる可能性も含むことになる。

ビットコインの保有傾向

7月8日時点では、1月以降から減少傾向にあった高年層のビットコイン供給量が一旦安定している状況だ。現在は11.3%にあり、これは2017年の高騰相場直後の2018年1月時点の2.2%(供給量に対して)と比べ増加している。

2018年と比べて、約4.9倍のビットコインが長期保有されていることを示すデータだ。

一方、Glassnodeは3ヶ月から12ヶ月の間、保有されたビットコインは9,000ドルから6万ドル(100万円〜660万円)台で買われたものと指摘。「中年層」のボリュームが増えていることから、保有(HODL)傾向が強まっているものの、損失を計上していることも想定されるため、売り圧になり得るデータになると警戒感を伝えた。

また、若年層のビットコイン供給量は減少しているため、Glassnodeは保有傾向が強まっていると分析。仮想通貨相場は「買い集め」(accumulation)フェーズに入っていると考察した。

過去データから、全体的に買い集めが「より想定されるシナリオ」としつつ、弱気トレンド(の発見)には時間がかかると分析。総括としては、高年層のビットコインは乱高下する相場の中でも保有を継続する姿勢を示し、高年層または中年層の供給量が増加を続ければ強気シグナル、減少に転じれば弱気(マイナス)シグナルになり得るとして、このデータの今後継続してみていく重要性を説いた。

BTC「買い集め」進む

Glassnodeの「HODL Wave」指標以外でも、相場の「買い集め」フェーズ(≒売り圧低下)を示唆するデータは確認されている。

ブロックチェーン・データ分析企業Santimentの統計でも、取引所のビットコイン保有率低下が観測されており、過去6ヶ月間で最も低い水準に。投資家が急速にビットコインを売却するリスクが下がるため、前向きな兆候と分析した。

時価総額2位のイーサリアムでも仮想通貨取引所へのデポジットが継続しており、取引所のETH供給量は18年11月以来の低水準に達している。

また、著名オンチェーン・アナリストのWilly Woo氏も先週末、1,000BTCから1万BTCを保有する大口投資家のビットコイン供給量が増加したと指摘。「クジラ」がビットコインを買い集めていると分析していた。

関連:大口ビットコイン投資家は買い継続 イーサリアムは売り圧低下を示唆するデータも

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/19 水曜日
18:44
ストラテジーのセイラー会長、ウォール街参入による「ビットコイン弱体化」論を否定 
ストラテジーのセイラー会長がフォックス・ビジネスで、機関投資家の参入によりビットコインのボラティリティが大幅に低下していると発言した。2020年の約80%から現在50%まで縮小し、今後はS&P500の1.5倍程度に収束すると予測している。
18:25
アーク・インベスト、コインベースとサークル株を買い増し
ARK投資のキャシー・ウッド氏、コインベースとサークル株を計720万ドル購入。ステーブルコイン市場の成長を見据え、仮想通貨関連株への投資を拡大。
13:55
ブラジル、仮想通貨のクロスボーダー決済に課税検討 規制強化で抜け穴封じ=報道
ブラジル政府が仮想通貨を利用したクロスボーダー決済への課税を検討している。中央銀行は2026年2月から新規制を施行し、ステーブルコインを含む国際送金を外為取引として扱う方針だが、税収漏れ対策として金融取引税(IOF)の対象とする案が浮上している。
13:35
サークルが「xリザーブ」発表、USDC担保型ステーブルコインを展開可能に
サークルがブロックチェーン間でUSDC担保型ステーブルコインを展開可能にする相互運用インフラ「xリザーブ」を発表した。
13:15
米SEC、2026年度検査で仮想通貨監視を重点項目から削除 規制緩和加速
米SECが2026年度の検査優先事項から仮想通貨監視を除外。トランプ政権下で規制姿勢が執行重視から対話重視に転換。コインベースやリップルとの訴訟解決など、業界への軟化姿勢が鮮明に。
11:35
イーサリアム財団、レイヤー2を単一チェーンのように操作できる「相互運用レイヤー」構想
仮想通貨イーサリアムの財団が複数のL2を単一チェーンのように操作できる相互運用レイヤー(EIL)の構想を解説。現在開発中のEILへの参加を呼びかけている。
10:50
コインベース上のモナドICO、開始23分で65億円弱調達も販売ペース鈍化
コインベースで開始されたモナド(Monad)のトークンセールは、開始23分で64.5億円を調達したが、その後失速。高いFDV評価額やVC比率の高さが投資家の慎重姿勢を招いたとみられる。
10:33
全米初のビットコイン担保地方債、米ニューハンプシャー州が承認
ニューハンプシャー州が全米初のビットコイン担保地方債を承認した。1億ドル規模の債券でデジタル資産が140兆ドル規模の世界債券市場に参入する道を開く可能性が出た。
10:00
ハイパーリキッド・ストラテジーズ、ナスダック上場に向けた合併が延期に
ソネット・バイオセラピューティクスらの合併によるハイパーリキッド財務企業の上場が延期された。株主投票の賛成票が必要数に達していない形だ。
09:45
ビットコインとイーサリアムの現物ETF、資金流出が継続
仮想通貨ビットコインとイーサリアムの現物ETFは、資金が純流出する日が継続している。この点について、ソラナやXRPなどのETFに資金が循環している可能性が指摘された。
08:50
テザー、ビットコイン担保融資企業レドンに戦略投資
テザーがビットコイン担保融資のリード企業Lednに戦略的投資を実施した。Lednは設立以来28億ドル超の融資を実行し、2025年だけで10億ドル超と見込まれている。
08:00
GMOトラスト、Japan Smart Chainと提携し日本法準拠ステーブルコイン発行を検討
GMOトラストがJapan Smart Chainと提携 AltXリサーチは18日、日本向けレイヤー1ブロックチェーン「Japan Smart Chain(JSC)」において、…
07:15
資産運用大手6社、日本での仮想通貨投資信託の提供を検討
資産運用大手6社が、日本での仮想通貨投資信託の開発を検討していることがわかった。米国でビットコインの現物ETFが認可されたこともあり、日本でも仮想通貨投資信託の誕生に期待する声は多い。
07:05
クラーケンがシタデルから2億ドル調達し企業価値200億ドルに、IPO前に資金基盤強化か=報道
クラーケンがシタデル・セキュリティーズから2億ドルの戦略的投資を確保し企業価値200億ドルと評価された。9月の6億ドル調達に続きIPO前に資金基盤を強化している。
06:35
米通貨監督庁、銀行に「ガス代支払い用」の暗号資産保有を承認
米財務省通貨監督庁が国法銀行によるブロックチェーンネットワーク手数料支払いのための仮想通貨保有を正式承認した。トランプ政権下で仮想通貨に対する規制姿勢が転換している。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧