CoinPostで今最も読まれています

国内初のコインチェックIEO、仮想通貨パレットトークン(PLT)の特徴と魅力とは

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

コインチェックで2021年7月1日にIEOを実施する予定のHashPaletteとはどのような会社なのか、運営するプラットフォームであるPaletteとその独自トークンであるPLTについて、そしてパレットプラットフォームで売買されるNFTと何なのか解説します。

Paletteプラットフォームについて

漫画やアニメなど、さまざまな媒体が存在しストリーミングサービスが人気の今、消費者が簡単に所有、または売却することは難しくなっています。Paletteはそれらのデジタルコンテンツの流通を促進、可視化するためのプラットフォームです。デジタルコンテンツをNFTの形でブロックチェーン上で管理することで偽造を防止し、所有を明確化ができるとしています。

NFTとはNon-Fungible Tokenの略で、非代替性トークンとも呼ばれます。一般的なトークン(PLT含む)が個別のトークンごとの区別を行わないのに対し、NFTは個別のトークンに識別子が存在し、ユニークな付加価値が追加されます。そのためNFTは権利やモノを紐づけるのに適しており、OpenSeaなどNFTを取り扱うマーケットプレイスではゲームのアイテムやデジタルアートなど、さまざまなものがNFTとして取引されています。

クロスチェーン技術により複数のブロックチェーンと接続したパレットチェーンは、NFTの流通の要となるべく設計されており、ハブとしての機能を期待されます。そのパレットチェーンの運用するにあたり必要不可欠となるのがユーティリティトークンのパレットトークンです。

関連:大企業の関心集める「NFT」の魅力とは|主な特徴と将来性を解説

コインチェックでのIEO

パレットトークンは2021年7月1日にCoincheck IEOにて購入申し込みを開始しました。1,000,000,000PLTの総発行数のうち230,000,000 PLT(23%)が今回販売予定で、購入金額は一口1000PLT(4050円)から最大2400口(約1000万円)に加え、申込手数料8%が別途加算されます。今回の申込期間は日本時間2021年7月1日正午~7月15日午後6時で、抽選は7月20日に行われます。

IEOとはトークンの発行を取引所が仲介する仕組みで、直接プロジェクトがトークンを発行するICOよりであると言われています。暗号資産取引所がトークンを発行するプロジェクトを審査し、IEOの広報やトークン販売を行います。今度のIEOは2020年8月より計画されていたもので、実施は日本初となる予定です。

IEOが資金調達手法として確立できれば、日本国内の投資家が国内外のプロジェクトへの投資をしやすくなり、プロジェクトのコミュニティ発展にもつながると考えられます。

IEOへの参加のためにはコインチェックの口座が必要になります。Coinpostではコインチェックを筆頭とした取引所の比較も行っています。

目標金額が購入申し込み開始6分後に達成され、ミニマムキャップの達成によりIEOの実施、が確定したと同時に抽選が行われることも確実になりました。

関連:コインチェックIEO第一弾「Palette Token」実施確定へ 6分で目標金額の9億円到達

7月21日追記:

20日の抽選倍率は24.4倍にも上り、およそ6万人が参加しました。コインチェックに集められた金額は227億円にも上り、世界でおよそ700億円1のIEO累計調達額と比べても大きな比重を持ちます。


1 コインチェック試算

パレットの運営

イーサリアムのガス代の高騰やイーサリアムの多数の相互関係を考慮し、パレットトークンはコンソーシアムチェーンとして運用されています。東証一部上場企業2社と大手ブロックチェーンプロジェクト4社、暗号資産取引所3社を含む12社が運用しています。

パレットチェーンはNFTに特化した設計となっており、それにより通常の汎用型ブロックチェーンのデメリットの多くを取り除いています。例としてはガス代の安定化、一般ユーザーのガスレス化があげられます。イーサリアムをはじめとする多くのブロックチェーンではガス代の高騰が激しく、また変動も大きいため一般ユーザーの送金に支障をきたしています。

これはDeFi系やブロックチェーンゲームなど、さまざまなアプリケーションが同じブロックチェーンに混在することで利害が混在していることが原因の一つとして上げられ、パレットチェーンではエンターテインメントのみに利用を絞ることで価格を安定化させようとしています。

また、パレットエコシステムの一環として、HashPortが提供するHashSuiteというNFTシステム基盤を用意することで、アプリケーション開発の障壁を可能な限りなくそうとしています。HashSuiteについてはメインネットローンチ後に提供開始する予定です。

パレットトークン

パレットチェーンの独自トークンはパレットトークン(PLT)であり、ERC-20未確定プロトコルで発行されています。PLTは運営上ではコンセンサスノードの報酬支払やガス代、NFTの売買の通貨として利用され、インセンティブ設計上の要と言えます。パレットトークンがコンソーシアムの偏りを抑制するための動機となるわけです。

さまざまな企業・プロジェクトがパレットチェーンに参加することでネットワーク全体の価値が上がるとともに、クロスチェーン技術により発行されたNFTはイーサリアム、ネオ、オントロジーのブロックチェーンでも利用できます。また、クロスチェーン先は今後も追加され、プラットフォームはさらに拡張される予定です。

パレットトークンの総発行量1,000,000,000枚のうち、16%はノードオペレーターやコンテンツホルダー、パレットプロジェクトへの参加促進等の運営資金として利用されます。さらに27%が開発チーム、初期エクイティ投資家へのインセンティブとなり、残りの57%のうち23%がIEOで販売され、購入者のものとなります。最後の34%はエコシステム報酬としてノード運営の報酬やエコシステムの促進に利用されます。なお、ノード運営の報酬はエコシステムの黎明期には総発行量の一部から支払われますが、エコシステムが成熟するにつれてコンテンツの発行手数料から支払われるようになります。

総発行量の全量がIEO直後に流通するわけではなく、IEOにて販売されたパレットトークン以外は当初ロックアップされ、およそ6年かけて徐々に流通していきます。

新規発行とガバナンス投票

初期発行から6年後、すべてのトークンのロックアップが解除された時、PLTの新規発行の提案、投票が可能となります。PLT保有者の全員が投票可能となり、イーサリアム上で行われる投票において3分の2以上の賛成により可決できます。

パレットトークンには販売促進としてのインセンティブだけでなく、ガバナンストークンとしてエコシステムの運営に対する参加券としても機能します。ユーザーはコンセンサスノードに投票することで投票報酬を得、コンセンサスノードはデジタルコンテンツの発行手数料を投票による人気に応じて得る仕組みです。

調達資金の使途

IEOによる調達資金は35%が新たにパレットを利用するアプリケーションの開発を支援するパレットグラントプログラムに使用される予定で、これによりパレットチェーンへの新規参入障壁を小さくし、エコシステムの拡大を加速する狙いがあると考えられます。また、残りのうち28%はさらにそのアプリケーションの広報など、パレットエコシステムの拡大に利用されます。残りの37%は委託業者への支払いや運営スタッフの給与、予備費として使用されます。

実用例と今後

HashPaletteの提供するソリューションとしてはブロックチェーンのOEMがあげられます。漫画のクラウドファンディングプラットフォームである「コミカブ」はHashPaletteの開発したもので、読み切り漫画の観覧券を販売し、券の転売も認められています。また、HashPaletteに資本参加しているLink-U社はMANGAPLUS by SHUEISHAなどのオンライン漫画プラットフォームなどを手掛けており、似た形でのデジタルコンテンツの頒布、またはマンガアプリでの漫画の所有権の明確化等が予想できます。

ブロックチェーン技術は抽象的でユーザーに直接あらわにするのは難しい面もあります。そのため、 ガス代などを無料化し、ブロックチェーンを意識せずに利用できるパレットプラットフォームは期待されます。仮想通貨を用意しなくとも購入でき、暗号通貨のノウハウがなくともそれを意識せずに利用できるサービス設計はNFTの今後の普及には重要なポイントであり、ブロックチェーンのみならず末端のアプリのUXもプラットフォームの興隆に影響すると考えられます。

IEOの抽選申し込み

Coincheck IEOの抽選申し込みには、仮想通貨取引所コインチェックの口座開設が必要となります。 今後、第2弾、第3弾のIEO上場の可能性もあるため、ますます需要が増すことが想定されます。

抽選・配布に関する最新情報

Coincheckは抽選結果や配布のプロセス、取引について公式SNS上で発表を行っている。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/24 水曜日
17:00
「BTCは上昇トレンドに入る可能性」SCB銀
仮想通貨ビットコインは再び上昇トレンドに入る可能性があるとスタンダードチャータード銀行が分析。今回もビットコインとイーサリアムの価格予想をしている。
16:23
Block社(Square)、ビットコイン採掘産業の分散化に向けて高性能チップを開発完了
デジタル決済企業ブロック(旧Square)が、3ナノメートル技術を採用した最新のビットコインマイニングチップ開発を完了。このプロジェクトはオープンソース化され、ビットコインマイニング業界の分散化を推進することを目指している。
15:09
WebX2024、最大73%割引の「開幕セール」終了まで残り1週間
株式会社CoinPostが主催する日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」にて、チケット販売を開始しております。2024年4月30日まで、最大73%割引のお得な開幕セールを実施中です。
14:35
米ブロックチェーン協会ら、仮想通貨業界の声をまとめSECを提訴
米ブロックチェーン協会とテキサス州暗号資産自由同盟は、米証券取引委員会が新たに制定したディーラー規則の阻止を求めて、SECを提訴した。
13:00
香港の現物ビットコインETF 4月30日にも発売かー報道
香港でボセラとハッシュキーキャピタルが提供するビットコインETFが取引を開始すると報じられた。2社の現物ビットコインETFは、価格安定性が高く、投資家に直接的な市場価格連動のメリットを提供する。
12:09
半値戻しのビットコイン、投資家心理改善で買い先行
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコインが66000ドル台まで反発し、50MA手前で一服した。イランとイスラエルを巡る中東リスク後退で米国株式市場でも買い戻しが先行しており、投資家心理が改善した。
12:00
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」、70日連続流入を記録
ブラックロックのビットコイン現物ETF「IBIT」が70日連続で資金流入を記録した。運用資産は約2.8兆円に達している。
11:00
リップル社、SECによる20億ドルの罰金提案を過大と反論
リップル社は、XRPをめぐるSECとの裁判で新たな書類を提出。リップル社に対して約3,100億円の罰金支払いを求めるSECの主張に反論した。
09:40
「BTC価格上昇は半減期から50〜100日後」QCP Capital
仮想通貨ビットコインの今後の価格が急上昇するのは半減期から50〜100日後であるとQCP Capitalが分析。また、Bitfinexも半減期後の相場レポートを公開した。
08:45
ソラナJupiter、DEXモバイルアプリ5月公開予定
既存のUltimateウォレットは5月22日から利用できなくなるため、その前に仮想通貨の一時的移転(PhantomやMagic Edenウォレット)を推奨した。
08:10
米国のイーサリアムETF上場申請、5月承認は見込み薄か
申請中の仮想通貨イーサリアム現物ETFの多くは5月に最終判断を迎える予定だが、多くのアナリストは承認の確率が低いと予測。背景には、イーサリアム財団への任意捜査で米SECがETHを有価証券に分類しようとしている点や、ビットコイン現物ETFが承認されてからまだそれほど時間が経っていない状況などがある。
07:10
ビットコインの機能を拡充する新提案が公開
仮想通貨ビットコインのブロックチェーン上でスマートコントラクトなどを実現する開発提案がBIP-420として公開。以前から関心を集めている提案の内容が改めて説明された。
06:35
バイナンスアプリの削除、フィリピン当局がアップルとグーグルに命令
フィリピンはバイナンスの顧客基盤における重要な構成国だが、同SECは2023年11月以降、バイナンスを投資に利用しないよう国民に積極的に警告していた。
05:50
エルサルバドルの国営ビットコインウォレット、ハッカーがコードを流出
今回の漏洩は、4月上旬に報告された510万人のサルバドル人の個人情報リークを含む、一連のChivoウォレット関連のハッキングに続くものだ。
04/23 火曜日
19:00
メゾンマルジェラ MetaTABI NFT発売
メゾンマルジェラがMetaTABI NFTを一般販売開始。デジタル専用設計のタビシューズはThe Fabricantとのコラボで、限定版タビブーツとレザーウォレットが付属。今後のWeb3ブランドイベントにも参加可能。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
イベント情報
一覧
2024/04/24 11:30 ~ 13:30
その他 オンライン
2024/04/25 ~ 2024/04/26
東京 国立新美術館
2024/04/27 10:30 ~ 20:00
東京 東京都渋谷区
重要指標
一覧
新着指標
一覧