ブラックロックCEO 長期投資目線の仮想通貨・株式市場を語る
ブラックロックCEO、現在の見解
米資産運用最大手BlackRock(ブラックロック)のLarry Fink最高経営責任者(CEO)は14日のCNBC取材で、現時点では暗号資産(仮想通貨)が同社が重要視する長期的な投資戦略には含まれていないとコメントした。
ブラックロックとは
ブラックロックは、2021年7月時点における運用資産残高が約10兆ドル(約1,000兆円)に上る世界最大手の資産運用企業。仮想通貨投資については今年1月、2つのファンドを通じて、ビットコイン先物を運用することを許可した。4月には、実際に先物取引を行なったことが分かっている。
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報道によるとFink CEOは、クライアントによる仮想通貨への需要が最近では少なく、ブラックロックのクライアントのほとんとは『ミーム株』や仮想通貨のようなボラティリティの高い資産を好まないと指摘、多くのクライアントとアセットマネージャーも投機的なものではなく、より長期的な視野を持っていると説明したという。
『ミーム株』は、ゲームストップ株(GME)やAMCなど、掲示板Reddit上で人気の高い証券のこと。仮想通貨でもコミュニティを中心に盛り上がったドージコイン(DOGE)などをミーム系コインと呼ぶことがある。
また、ブラックロックは金融リテラシーの重要性についても言及。現在、多くの個人投資家の投資法は短期で、投機性が高いが、金融リテラシーを向上させることで長期投資を視野に入れるための鍵になると指摘。長期投資について、株市場では退職後に向けた長い目での投資戦略への理解の入り口になりうるとした。
金融リテラシーを改善し、短期的相場の変動よりも長期的視野に改変できれば、次世代の退職の投資戦略の課題もある程度解決できるだろう。
ーLarry Fink
仮想通貨について、同社のRick Rieder最高投資責任者(CIO)は5月に、ビットコイン(BTC)は「耐久性のある資産」と称し、長期的なポテンシャルを評価していた。
一方、5月の年次株主総会で、Fink CEOは仮想通貨が投機的な資産かどうかを判断するのは時期尚早であり、ゴールド(金)のように長期投資に利用できる資産になる可能性を秘めていると主張していたが、今回これに疑問符を投げかけた格好だ。同社のクライアントは価格の変動などを利用して利益を最大に出すブローカーディーラーではなく、「長期投資家」だとして、ブラックロックにおける長期的投資の重要性を強調している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します