米スクエア社、ビットコインの採掘システム開発を検討

マイニングシステム構築を検討

米スクエア社のJack Dorsey CEOは16日、同社が仮想通貨ビットコイン(BTC)のマイニングシステム構築を検討していることを明かした。

同社は、7月にビットコインのハードウェアウォレットを開発する計画を明らかにしており、ウォレットのチーム内でマイニングシステムに向けた調査を開始するという。

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Dorsey CEOは、8月にビットコインのマイニングを自身で試みていることを報告し、ビットコインに対する提言なども行ってきた。

スクエア社は世界中の企業、個人に向けたビットコインのマイニングシステムを、カスタムされたシリコン(設計)とオープンソースに基づいて開発することを検討している。もし実際にやるとしたら、私たちのハードウェアウォレットのモデルを踏襲するだろう。つまり、コミュニティと協力しながらオープンに構築するということだ。

Dorsey氏は上記のツイートに続けてスレッド形式でマイニングシステムを構築するべき理由を語っており、全文は以下の通りとなっている。

現状の課題点として挙げられた5つはそれぞれ、マイニングの分散不足、マイニングの効率性、シリコン設計の集中、垂直統合への関心不足、マイニングが誰でもアクセス可能でない点、などだ。

1/マイニングはより分散されなければならない。マイナーの大事な仕事は、信頼できるサードパーティー無しにトランザクションを安全に処理することだ。これは、最後のビットコインが採掘された後、重要になる。より非中央集権になるほど、ビットコインネットワークはより強靭になる。

2/マイニングはより効率的になるべきだ。クリーンで効率的なエネルギー消費を模索するのはビットコインの経済、影響、スケーラビリティにとって素晴らしいことだ。エネルギーはシステムレベルの問題であり、シリコン、ソフトウェア、統合においてイノベーションを要求する。最大の機会はなんだろうか。

3/シリコンの設計は、少数の企業に集中し過ぎている。これは、供給もまた過度に制限されている可能性が高い。シリコンの開発はとても高額で長期的な投資を必要とし、ソフトウェアとシステムの設計と緊密に組み合わせることが最良である。なぜもっと多くの企業がこの仕事に取り組んでいないのか。

4/垂直統合への関心が充分ではない。ハードウェア、ソフトウェア、製品化、そして分散には、チェーンの一つの技術を向上させるのではなく、エンドカスタマーへ届ける説明責任が必要になる。これを単一のシステムとして見ることは、アクセシビリティを向上させるのだろうか。

5/マイニングは全ての人がアクセス可能なものではない。ビットコインのマイニングは電源に機器を接続するぐらい簡単であるべきだ。今日ではマイナーを自分で稼働することの複雑さを克服するほどのインセンティブは個人にとって十分ではない。マイナーを稼働する人々にとって最も大きな障壁はなんだろうか。

マイニングの課題、複雑さや地理的集中なども

ビットコインのマイニングは現在、大量の機器を確保する営利目的の大規模な業者が主要なプレイヤーとなっている。中国での取り締まりにより業者は分散傾向にあるものの、地理的にもマイニングは米国などに依然として集中している状況だ。

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また、シリコンはCPUなど半導体の主材料であり、同じくマイニングに利用されるGPUも含めインテルやAMD、NVIDIAなど少数の企業が市場のシェアを獲得している。

半導体の受託製造(ファウンドリ)も台湾のTSMCが多くのシェアを握っており、こういった企業の動向で半導体の供給が左右される状況にあるとされる。

Dorsey氏は、スクエア社のチームがこのプロジェクトに取り組むために必要となる詳細な技術的調査を開始すると発表した。チームを率いるJesse Dorogusker氏は、スクエア社のハードウェアウォレットチームを運用している。

Dorogusker氏はチーム内にプロジェクトを置き、「シリコンのアーキテクチャ、設計から始め、より効率的なハッシュアルゴリズム、電源アーキテクチャを試作する」とツイート。プロジェクトの人員募集も計画している模様だ。

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