OpenSea利用者にエアドロップのSOSトークン、時価総額300億円に接近

リリースから数日で保有者は約20万人に

自律分散型組織(DAO)OpenDAOが発行したSOSトークンは27日時点で、保有ウォレットが20万を突破。時価総額も約2.5億ドル(約286億円)に達した。

このSOSトークンは、大手NFTマーケットOpenSeaで取引したことがある人なら誰でも無料で請求できる、イーサリアム(ETH)ベースの暗号資産(仮想通貨)。受け取り期限は、2022年6月30日までと設定されている。

なお、OpenDAOは、OpenSeaの運営側とは無関係に、「NFTクリエイター、コレクター、NFTのエコシステムを支援するために立ち上げられた組織」である。

SOSトークンの20%は、OpenDAOプロトコルに送られ「OpenSeaプラットフォームで起きる詐欺の被害者への補償、NFTコミュニティやアーティストの支援、開発者への資金提供」などに役立てられる予定だ。

公式サイトによると、総供給量は100兆トークンで、プロトコルに送信される以外には、OpenSeaのユーザーに50%、ステーキング報酬に20%、流動性プロバイダーに10%が充当される。

自律分散型組織(DAO)とは

自律的に機能する分散型組織を指す。「Decentralized Autonomous Organization」の略。一般的な企業などとは違い、経営者のような中央管理者が存在しない。参加メンバーやアルゴリズムによって運営管理が行われる。

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様々な取引所にも上場

リリースからわずか数日で、OKEx、Huobi Global、Gate.ioなどの仮想通貨取引所がSOSトークンを上場。Uniswapのような分散型取引所で取引したり、流動性を提供して利益を得ることも可能だ。

SOSトークンの、今後のロードマップはまだ未定。OpenDAOの設立者の一人である「9x9x9」は「OpenDAOは、分散型で運営される組織(DAO)であるため、今後の決定はすべてのSOSトークン所有者によってなされる」と説明した。

プロジェクトの安全性

このプロジェクトの安全性については、いくつかのアカウントが検証しているところだ。

ブロックチェーンプロジェクトQuadrataNetworkの設立者「fabdarice」は、SOSトークン総量の50%が、3つの外部ウォレットに保管されており、SOSチームがいつでも流動性を引き出すことができる点などをリスクとして指摘。単一障害点にもなり得ると続けた。

一方、スマートコントラクトの研究者「quit」は「SOSトークンのコントラクトは正常であり、トークンを請求したり取引するのは安全だろう」と分析。ただ「念のため、この発言は、価値の保存手段として、SOSトークンが安全であるかを保証するものではない」としている。

OpenSeaはガバナンストークン発行せず

なお、NFTマーケットプレイスOpenSea自体は、そのガバナンストークンを発行していない。OpenSeaは企業の形を取っており、この点はガバナンストークンを発行するDeFiプロトコルのUniswapなどと異なっている。

OpenSeaのBrian Roberts最高財務責任者は今月初め、将来IPO(新規株式公開)を行いたいと示唆したが、その後発言を訂正した。

はっきり申し上げるが、IPOを考えることと、積極的に計画することには大きな違いがある。

IPOを計画しているわけではないし、もし計画することがあれば、コミュニティーを巻き込んでいきたいと考えている。

コミュニティの参加を求めるOpenSeaユーザーらが反発したことを受けて、発言の趣旨を改めて説明した格好だ。Roberts氏は、現在OpenSeaが現実的にIPOを計画しているわけではなく、もし仮にIPOを行うことになったとしても、コミュニティが参加できるような形式を検討するとツイートした。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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