リップル社、SBIなど「シリーズC」投資家から自社株を買い戻す 評価額は2年間で5割増加

リップル社の評価額、2年で50%増加

米リップル社は25日、SBIホールディングス株式会社などシリーズC(2019年12月)投資家から一部株式を買い戻したことがわかった。ブラッド・ガーリングハウスCEOが自社株買いを公表した。

買い戻したのは2019年12月に実施した、シリーズC戦略調達ラウンドの際発行した新規株。同ラウンドには大手投資企業Tetragon社のほか、Route 66 VenturesやSBIホールディングス株式会社も参加していた。

資金調達ラウンドにおけるベンチャーキャピタルの出資は段階的に行われており、シリーズCはスタートアップ企業の黒字経営が安定し始め、IPO(株式市場への上場)やM&Aが意識される最終成長フェーズとされる。

2019年当時は100億ドル(1.1兆円)の評価額で2億ドル(約230億円)の資金調達に成功したが、今回の買い戻しにおける評価額は150億ドル(1.7兆円)と2年間で50%増加したという。

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CEOコメント

リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOは、以下のようにコメントした。

米SEC(証券取引委員会)の訴訟で一部顧客を失うなど、逆風が続く状況にもかかわらず、我々は急速に成長することができた。

リップル社のビジネスは実質的に成長しており、強いバランスシート(財政状況を表すもの)を持っている。今回の買い戻し完了後でも、10億ドル(1,100億円)以上の現金がある。

またリップル社側も、「企業評価額の増加は、同社のマーケットにおける好ポジションやグローバル企業としての勢いを表している」と言及。ブタン王国やパラオではCBDC(中銀デジタル通貨)の試験運用に向け、中央銀行との協業も行うなど、グローバル事業での成長を強調した。

関連:リップル社、中央銀行デジタル通貨(CBDC)をブータン王国と試験運用へ

他にもリップルネットは国際送金だけではなく、流動性などのサービスも提供していると説明。投資部門のリップルXもXRPレジャー上でNFT(非代替性トークン)やCBDC、相互運用性ブリッジ、サイドチェーンなど多岐に渡る新機能の開発を推進していると語った。

SECとの訴訟

リップル社は2020年12月下旬から暗号資産(仮想通貨)XRP(リップル)の販売の有価証券性を巡り訴訟が続いている。1月中旬には、オミクロン株の感染拡大に伴い、専門家ディスカバリーの期限を延期することが決まっていた。

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なお、2019年にリップル株の買い戻し対象となっていたTetragon社は21年1月、SECとの訴訟が公開された直後、リップル社を提訴していた。

当時の資金調達参加の条件として「XRPが有価証券として判断された場合」には株式の売り戻しができるとする項目が含まれているとして、リップル株の売り戻しなどを求めてたが21年4月にはリップル社が勝訴した経緯がある。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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