急落一服のビットコイン、月の変わり目の値動きにも要注意
今週(22日〜28日)の仮想通貨相場
先週に急落したビットコイン価格は今週、一旦落ち着きを見せ36,000ドル前後を推移。上値は重い展開となっている。
各指標の騰落率一覧
28日の終値時点の週間騰落率は、以下のようになった。
月初来騰落率
年初来騰落率
(今週の騰落率は、先週の終値、今週の終値を用いて計算。月初来、年初来についても前の月、年の終値で計算)
(仮想通貨の価格は取引所コインベースを参照、各銘柄の価格はTradingviewを参照)
22日〜28日のBTCチャート
bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
22日〜28日レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は、前週の急落から一服し、ジリジリと戻りを試す展開となり、28日正午時点で、420万円台後半で推移している。
週明けのBTC相場は、CMEの窓埋めを完了すると、日経平均が安寄りしたこともあり、420万円を手前に反落、寄付きの米株も軟調となったことで、一時は節目の400万円を下抜けし、380万円にタッチした。
一方、その後米株が急反発を演じるとBTCは連れ高となり400万円を回復。週央にかけては欧州と英株式市場の反発や、中央銀行から暗号資産禁止要請が出ていたロシアで、金融当局者とプーチン大統領が直々に禁止でなく規制を支持したことが好感され、米連邦公開市場委員会(FOMC)を前に440万円までジリジリと値を戻した。
しかし、FOMC後のパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長の定例記者会見で、政策舵取りについて具体的なヒントが得られなかったことが失望感に繋がり、BTCは反落。27日の日経平均の急落も相場の重石となり、410万円まで押した。足元では、同水準で短くダブルボトムを形成しているが、ネックラインに当たる430万円の明確な上抜けに苦戦している。
今週のFOMCは、「相場の先行きを想定する上で今年最も重要なイベントの一つ」になると豪語したが、年内の利上げ回数、利上げ幅、量的引き締め(QT)開始時期について、具体的なヒントはほぼ皆無であった。やはり3月の利上げはほぼ確実だろうとの印象はあったが、パウエル議長は利上げ幅についての回答は控え、その先についても「何も決まっていない」という姿勢を示し、雇用と物価の状態によって機敏な対応をとるとした。
よって、次回3月に予定されるFOMC会合までは、米国のインフレ及び雇用指標の結果でこの先の政策の舵取りを予想することとなる。本日(28日)には、早速、個人消費支出(PCE)の発表を控えており、来週には雇用統計(2月2日:ADP雇用レポート、2月4日:雇用統計)、再来週には消費者物価指数(10日)の発表が予定されており、これらの指標が上振れとなれば、よりタカ派な政策方針となる可能性が浮上し、投資家のリスク選好度をさらに萎縮させるだろう。
さて、来週水曜日(2月1日)朝には、BTCの1月月足終値が確定するが、先週も指摘の通り、それまで足元の水準を保ち、月足一目均衡表の基準線(36,429ドル≒420.5万円)を終値ベースで死守できるかが注目される。基準線は相場の「基準」とも言われ、同水準を終値で割り込むか否かでポジション調整への影響も変わってくるだろう。月の変わり目の値動きには注意したい。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:ビットコイン急落、相場の先行きを占うFOMCの展望は
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