Coinhive(コインハイブ)のマイニングは違法or合法?|警察とユーザーの主張
- Coinhive利用者が検挙、Coinhiveでのマイニングは違法か?
- Coinhiveの提供するコードをサイトに埋め込み、サイト閲覧者のCPUを無許可に使用してマイニングを行なったとして、16人のユーザーが警察に検挙されています。これに対し、Coinhiveのマイニングは従来のインターネット広告の仕組みと変わらないとして、一部の人々が合法性を主張しています。
- Coinhiveとは
- サイトの運営者がサイト訪問者に仮想通貨をマイニングさせることで、収益を得るサービス。閲覧者のCPUを動作させて得られた仮想通貨Moneroはサイト運営者とCoinhiveで山分けされる。サイト運営者にサイト運営の対価を与えるインターネット広告に取って代わる方法として、期待されている。
Coinhiveを利用してサイト運営を行なっていた16人が検挙された騒動では、Coinhiveのマイニングの合法性を指摘する意見が出ています。
サイト閲覧中のマイニングに対しては、規制する法律の解釈が十分に定まっておらず、合法性について議論を呼んでいます。
Coinhiveとは
Coinhiveとは、サイトの運営者がサイト訪問者に仮想通貨をマイニングさせることで、収益を得るサービスです。
サイト運営者はHTMLにCoinhiveが提供する数行のコードを埋め込むことで、サイト閲覧者のブラウザからCPUを動かし、モネロのマイニングを行うことができます。
獲得したモネロは、サイト運営者7割、Coinhive3割の比率で山分けされます。
閲覧者がサイトを閲覧している間に閲覧者のPCでモネロがマイニングされ、その一部をサイト運営者が獲得することで、サイト運営者がサイト閲覧の対価を受け取ることができる仕組みとして、注目を集めています。
Coinhive利用者の検挙に関する一連の騒動
Coinhiveのサービスをめぐっては、サイト閲覧者のPCが本人の同意を得ないまま利用されるケースが全国で相次ぎ、全国の警察が摘発を進めてきました。
警察庁によると、閲覧者のPCを無断でマイニングしたとして、現時点で全国10の県警が合計で16人を検挙しており、さらにそのうちの3人が逮捕されています。
検挙されたのは18歳から48歳の学生や会社員などで、閲覧者のPCを無断で利用したとして、不正指令電磁的記録供用などの疑いがもたれています。
指摘されている問題点
警察庁によると、今回の摘発の罪状は「不正指令電磁的記録取得・保管罪」となっています。
- 不正指令電磁的記録取得・保管罪(不正指令電磁的記録取得等)
- 第168条の3
- 正当な理由がないのに、前条第1項の目的で、同項各号に掲げる電磁的記録その他の記録を取得し、又は保管した者は、2年以下の懲役又は30万円以下の罰金に処する。
Coinhiveサービスの問題点としては、閲覧者がサイトを見ただけで、そのPCが本人の同意のなく、マイニングに利用されていることが挙げられます。
また、閲覧者が気づかぬままマイニングをしていたことで、閲覧者が余分に電気代を負担しなければならないことや、閲覧者のPCが消耗するという問題も指摘されています。
警察庁は、閲覧者に無断で行われるこうした行為が社会的な合意を得ているとは言えないとして、摘発を進めています。
Coinhiveでのマイニングは合法or違法?
今回の検挙の報道に関し、Coinhiveでのマイニングが違法であるか否かの論争が広がっています。
Coinhiveのユーザーは、インターネット広告を引き合いに出して、Coinhiveサービスの合法性を主張しています。
彼らは、従来のインターネット広告も、サイト利用者に広告掲載の許可を取っていないと指摘しています。
また、現在のCoinhiveのサービスでは、閲覧者がサイトを訪問した際に閲覧者のPCを利用する許可を求める案内を表示しています。
一方で警察庁は、閲覧者に無断で行われるこうした行為が社会的な合意を得ているとは言えないとしており、「閲覧者に無断でマイニングツールを設置した場合、犯罪になる可能性がある」と注意を呼びかけています。
セキュリティ研究者としてブログやツイッター上で頻繁に意見を述べている高木浩光氏は、自身のブログ上で、今回の騒動のマイニングに違法性はないとする自説を展開しています。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します