イーサリアムL2「Optimism」、シリーズBで170億円を資金調達
イーサリアムの処理能力向上へ
暗号資産(仮想通貨)イーサリアムのL2ソリューションを開発するOptimismは18日、シリーズBのラウンドで1.5億ドル(約170億円)を資金調達したことを明かした。
時期は「最近」と説明しており、資金調達の企業評価額は16.5億ドル(約1,950億円)。公式発表には記載していないが、テクノロジーメディア『TechCrunch』に、大手ベンチャーキャピタルのAndreessen Horowitz(a16z)とParadigmがシリーズBを主導したと説明したという。今回の資金を活用し、今後も開発者の体験やネットワークの安定性の向上、手数料の削減に取り組んでいくとした。
Optimismは、「Rollup(ロールアップ)」という技術を活用し、イーサリアムブロックチェーンのスケーラビリティを向上するために開発を行っている。「Rollup」は「巻き上げて束ねる」といった意味で、イーサリアムブロックチェーンの外部でトランザクション処理を行なって、それを1つにまとめてからメインチェーンに記録する仕組みのこと。この技術を導入することで、ネットワークの混雑解消、それによって手数料削減などにつながると期待されている。
今回の発表では、メインネットローンチ後1年の成果として、以下の3つを挙げた。
- Optimismのユーザーが合計10億ドル(約1,180億円)の手数料を節約できた
- 何千ものコントラクトがデプロイ(展開)された
- Optimismのコードを使って3つのフォークが実行された
手数料については昨年30%超削減したと説明しており、今後はさらに下げられるように開発を続けると述べている。
今後の計画
Optimismがメインネットをローンチしたのは2021年1月。この時はまだ「ソフトローンチ」で、利用できるプラットフォームも制限していた。その後、同年12月にネットワークを一般開放している。
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上記は公式ウェブサイトの画像。これまでの歩みと今後の計画を示している。この計画によると今年は「次世代のFault Proof」に注力する予定だ。Fault Proofとは、イーサリアムのメインチェーンに提出したL2のトランザクションに、間違いなどの問題があった時に行う「意義申し立て」を指す。
このFault Proofについて、Optimismは今月10日に「Cannon」という新しい仕組みを正式に導入することを発表。Cannonの導入によって、イーサリアムブロックチェーンと等価(EVM-equivalent)なL2をシンプルに実現できるようになると説明している。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します