開発者にOptimismを開放
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のレイヤー2ソリューションであるOptimismは16日、ホワイトリストを削除したことにより、誰でもネットワークに参加できるようになったと発表した。
Today is the day. 🍾
— Optimism (✨🔴_🔴✨) (@optimismPBC) December 16, 2021
The whitelist is officially gone and anyone can deploy to Optimism!https://t.co/XFCL7yKh8n
Optimismは、取引処理の遅延や高い手数料といった「拡張性(スケーラビリティ)」の問題について解決を図るレイヤー2ネットワーク「Optimistic Ethereum」を提供している。
レイヤー2(L2)とは
「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。
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これまで、Optimismのネットワークは、分散型取引所UniswapやSynthetixなど、ホワイトリストに掲載されたプロジェクトのみが利用可能だった。この体制により、Optimismのチームと、リストに選択されたプロジェクトは、直接連絡を取って、アップデートやバグの報告を行ってきた。
Optimismは、過去一年の間に多くのストレステストを行い、ネットワークを強化している。今後のアップデートでは、すべての取引履歴やイベントデータが維持されることになるという。
こうした進捗を受けて、ネットワークをオープンにすることで、非中央集権化を進め、アクセスしやすくする格好だ。
一般公開により、すべてのプロジェクト開発者は、イーサリアムのネットワークと同様、許可を取ることなく自由に、Optimismのネットワーク上に、そのプロジェクトを構築することができるようになる。
Optimismは11月、開発者が「ワンクリックで」コントラクトを実装することができる「EVM Equivalence(イーサリアム仮想マシンとの完全な同調)」を実現したことも発表していた。
イーサリアム仮想マシン(EVM)とは
イーサリアムの主要な構成要素の一つで、英語でEthereum Virtual Machine。イーサリアムのコントラクトを開発するのに利用される言語「Solidity」を翻訳して、コンピュータが解釈・実行できる形にする翻訳機のようなものとして機能する。
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預け入れ総額が増加する可能性も
Optimismのホワイトリスト制度が廃止されたことで、今後、そのネットワークを利用するプロジェクトへ預けられる資産総額(Total Value Locked:TVL)は増加する可能性がある。
イーサリアム・レイヤー2ソリューションについてデータを提供するL2beat.comによると、記事執筆時でレイヤー2ソリューションの中で最大のArbitrumのTVLは、約22億6,000万ドル(約2,570億円)。Optimismの、現在のTVLは約3億7,700万ドル(約430億円)である。
こうした、イーサリアムのL2ネットワークの主な目的は、ガス代(手数料)を削減することだ。これらのネットワークは、イーサリアムのメインチェーンから離れた場所で取引を処理することこで、イーサリアム上で使用されるブロックスペースを減らし、ガス代の削減に貢献している。