スイス国立銀行理事の発言:中央銀行の仮想通貨発行への関心は薄れた

スイス国立銀行の職員が中央銀行の仮想通貨発行について語る
仮想通貨の発行に前向きだった各中央銀行は、もはやその導入に対して悲観的であるとのことです。仮想通貨が抱える潜在的リスクの大きさを考えると、現在のところ発行するメリットは少ないと考えられています。

スイス国立銀行の職員が中央銀行の仮想通貨発行について語る

スイス国立銀行のシニアバンカーが語ったところによると、仮想通貨の発行に前向きだった各中央銀行は、もはやその導入に対して悲観的であるとのことです。

スイス国立銀行の理事を務めるThomas Moserは、各国の中央銀行がかつて関心を寄せていた仮想通貨の発行について、ビジネスインサイダーからの取材に応じました。

仮想通貨が盛り上がりを見せた2017年の後半、多くの国が国家仮想通貨の発行へ関心を寄せましたが、各国は財政の安定性への影響を鑑み、そういった熱狂者たちの盛り上がりは落ち着いてしまいました。

とインタビューで語っています。

多くの人が問題視していた技術的な問題も、結局は政策上の問題が解決した後に考えられるべきです。多くの銀行が、国家仮想通貨の実現に向けた実証実験などを行い準備を重ねてきました。しかし、現在のところ彼らは他国の出方を窺っているだけにも思えます。

しかし、Thomas氏は数年後に中央銀行から仮想通貨が発行されたとしても驚かないだろうと述べています。

中央銀行が発行する紙幣のデジタル化は理にかなっている部分もあるかと思いますが、そのリスクは非常に高いです。仮想通貨が抱える潜在的リスクの大きさを考えると、現在のところ発行するメリットは少なく、発行数のバランスを考える必要があります。

各国の実証実験の動向、メリット

イングランド銀行やカナダ銀行はこれまでに仮想通貨、ブロックチェーンの積極的な実験を行ってきた中央銀行の代表格です。

Thomas氏は、各中央銀行が仮想通貨発行に対して懐疑的であるとしながらも、法定通貨のデジタル版を導入することのメリット、インパクトについても説明しました。

銀行に全ての資産を貯蓄しておくことは、実際に使用する際に非常に面倒となります。もしこれらの資産を口座から直接やりとりすることが可能になれば、その手順ははるかに簡単になることでしょう。

ビットコインは中央銀行へのアンチテーゼとしてプログラマーにより開発されたものですが、Thomas氏はスイス国立銀行が仮想通貨のアイディアには反対の立場ではないと主張します。

法定通貨のデジタル通貨を発行する際には、基本的に銀行と競合することになります。金融政策へどのように対処するか、またその送金経路はどう変化するかなど、複雑な事項を多く考えなければなりません。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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