BAYCの差し止め命令、大手NFT市場OpenSeaが対応か
アジア初の事例
世界的な法律事務所Withers World Wideのシンガポール支社であるWithers KhattarWongは18日、特定のBored Ape Yacht ClubのNFT(非代替性トークン)の販売を凍結するワールドワイドな差止命令を取得したことを発表した。
最大手のNFTマーケットプレイスであるOpenSeaがこれに対応したと見られ、Bored Ape Yacht Club(BAYC) #2162の取引機能が停止された。執筆時点にBAYC #2162は「不審な行動で通報された」と表示されており、出品も入札もできない状態となっている。
Bored Ape Yacht Clubとは
NFTブルーチップ(優良株)として代表的なコレクション。PFP(プロフィール画像)向けにデザインされた1万点のサルの画像。マドンナ、ジャスティン・ビーバー、エミネム、パリスヒルトンなどのセレブリティも所有。BAYCのフロアプライスは22年4月29日、OpenSeaで過去最高値152 ETH(約6,000万円)に達した。
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Withers KhattarWongによると、この差止命令はNFTを資産とする認識に基づいている。また、シンガポール高等法廷(High Court)によるNFTの保護差止はアジア初、純粋な商業的紛争としては世界初の事例となった。
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仮想通貨ローンの担保資産
法律事務所が提出した文書によると、事件の経緯はこうだ。シンガポールの匿名希望の投資家である原告が、NFT担保の暗号資産(仮想通貨)レンディングプラットフォーム「NFT fi」で、BAYC #2162を担保にイーサリアム(ETH)を借りた。債権者はツイッターアカウント「@chefpierre_」であることがわかっている。
両者は22年3月19日にローン契約を締結し、4月20日に契約を更新。再融資の一環として、原告はBAYC No.2162をNFT fiのエスクロー口座に移し、原告によるローンの完済が完了するまで保有すること、また再融資をさらに延長できることに合意した。しかし、被告は合意に違反して差押えを行い、NFTを個人のイーサリアムウォレットに移し、OpenSeaにNFTを出品した。
そのため原告は、被告に対してBAYC No. 2162のローンの返済を受け入れること、NFTを原告のウォレットに移転すること等を強制する命令を裁判所に要請した。
OpenSeaの広報担当者は、CoinPostの提携メディアThe Blockに以下のように述べている。
当社は個別のコレクションに対する法的措置について公言しない。しかし、プラットフォームのポリシーについて言及できる。そこでは、盗品、不正に入手したアイテム、承認なしに取得したアイテム、またはその他の違法に入手したアイテムの売買や資金洗浄用途でのOpenSeaの使用を禁止している。
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