CoinFLEX、出金再開を目指した計画明かす
100億円超の債務回収で仲裁手続き開始
暗号資産(仮想通貨)取引所CoinFLEXの共同創業者らは9日、ブログ記事を発表。出金停止の背景を説明し、出金再開を目指した今後の復旧計画を説明した。
まず、CoinFLEXはある顧客から約114億円(8,400万ドル)の債務を回収するために香港国際金融センターで仲裁手続きを開始したと述べている。
ブログ記事によると、この顧客には、ポジションの清算後に口座に不足が生じた場合、個人的にそれを補い、証拠金を追加するという義務があったが、この契約が履行されなかった。
当初、CoinFLEXはこの顧客に関わる損失額を4,700万ドルと見積もっていた。しかしその後、FLEXコインのポジションを清算する際の損失が見つかり、最終的には、この顧客の口座には8,400万ドルの最終赤字が発生していたことが分かったという。
CoinFLEXは、「この投資家は個人的に全額を支払う義務を有しており、私たちの弁護士は彼に対する裁定を執行できると確信している」と説明している。ただ、仲裁手続きについては、香港で判決が出るまで約12ヶ月かかる見積もりだ。
今回は名指ししていなかったものの、CoinFLEXは以前、著名投資家Roger Ver氏が同取引所に負債を抱えていると主張していた。
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今後の打開策
CoinFLEXは、現在計画されている解決策も示した。CoinFLEX預金の一部を株式に転じて事業を支援したいと考えているCoinFLEX大口預金者が存在しており、こうした投資家と対話しているところだという。
また、「リカバリーバリューUSD(rvUSD)」と呼ばれるトークンを発行し、4,700万ドルを調達しようとしている。
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解決策を検討するために、CoinFLEXは最大の預金者を中心にして、ステークホルダー(利害関係者)のワーキンググループを結成した。CoinFLEXで利用できたビットコインキャッシュ(BCH)のレイヤー2プロジェクトSmartBCH(sBCH)の代表者も、このグループに参加する。
レイヤー2(L2) とは
「2層目」のブロックチェーンのこと。全ての取引履歴をメインチェーンに書き込むと負荷が大きくなり、処理速度の低下やネットワーク手数料の高騰につながる。そこで、取引履歴の一部をオフチェーンやサイドチェーンに記載するようにすることでメインチェーンへの負荷軽減や処理速度向上を期待することができる。
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さらに、CoinFLEXは、最終的な問題解決に至るまでの間に、預金者のために一時的な流動性を生み出すプランを模索したいと説明。口座残高の10%(将来的にはそれ以上)を引き出し可能な状態にすることを検討しているという。
まずは、1週間を目途にして様々な財務見積もりを行い、それが完了した時点でバランスシートを公開する予定だと明かした。
CoinFLEXは、今後の事業計画として、米国の大手取引所・ATS(代替取引システム)プラットフォームと、ジョイントベンチャー立ち上げを目指して協議を進めていることも明かした。
このジョイントベンチャーは、CoinFLEXの技術プラットフォームを活用して、米国株レポ市場や無期限先物の取引プラットフォームの立ち上げにつながる見込みだという。
レポ取引とは
repurchase agreementの通称。取引当事者の一方は証券等を売り、将来それを買い戻すことに同意する。相手方は、証券等を買い、将来それを売ることに同意する 。
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