米コインベース、米国向けアフィリエイトプログラムを一時停止か=報道

「仮想通貨の冬」到来が一因か

大手暗号資産(仮想通貨)取引所のコインベースが、米国で展開しているインフルエンサー向けのアフィリエイトプログラムを「一時停止」することが判明した。Decryptなど複数の海外メディアが報じた。

今回停止が報道されたのは、SNS上で新規顧客を獲得することを目的としたプログラムだ。金融系メディアBusiness Insiderは、同取引所がインフルエンサー宛に送ったメールを入手。

メールには、7月19日を発効日としてアフィリエイトプログラムが停止されると記載されていた。「仮想通貨の冬」の到来と、22年に発生した様々な経済的逆境が、プログラム停止の決断に至った理由であるとという。

関連:大手仮想通貨取引所コインベース、18%の人員削減を実施

これは簡単な決定ではなく、また軽く決断されたことでもない。しかし仮想通貨市場の状況と2022年の残りの見通しを鑑みた結果、コインベースはプラットフォームへのインセンティブ付きのトラフィックのサポートを継続することが不可能となった。

同取引所は、メールでアフィリエイトプログラムを23年に再開する方針も告知したとされるが、各種条件や具体的な時期などは判明していない。

コインベースとは

創業は2012年。世界最大手の民泊サービスのエンジニアを経験した人物と、大手証券会社の為替ディーラーを経験した人物が共同で事業を立ち上げ、短期間で仮想通貨業界のトップベンチャーとなった。2021年4月に米ナスダック市場に上場、同年8月に日本人向けのサービス提供を開始した。

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人員削減しつつ欧州展開を強化

過去数か月間続いている仮想通貨市場の下落は、各取引所の経営戦略に影響を与えており、コインベースも例外ではない。同取引は5月末から従業員の新規採用停止を実施し、6月初旬にその方針を改めて正式発表。その後6月半ばに18%の人員削減を実施することを明かした。

コインベースの従業員は21年初頭時点で1,250名だったが、直近1年間で200%増加、過去18ヶ月比では、4倍以上に拡大していた。「急速な人員強化戦略の失敗」や急激な企業拡大に伴う「効率性の低下」が人員削減の理由であると説明されている。

また、22年Q1(1月〜3月)決算では総額560億円(4.3億ドル)の純損失を計上しており、仮想通貨市場の停滞に応じた取引量現象の影響を顕著に受けている形だ。

その一方で、事業を強化していく姿勢も見せており、7月には欧州での展開を強化する計画を発表した。現在展開しているイギリスやアイルランド、ドイツなどに加えて、フランス、イタリア、スペイン、オランダにも注力しており、19日に、イタリアでの事業登録を完了した。現時点では、展開戦略の詳細は発表されていないが、機関投資家や開発者向けの商品などを開発するとされる。

関連:米コインベース、欧州進出の強化方針を明かす

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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