「ODL」拡大で仮想通貨XRPの取引量が9倍増加=リップル社2Qレポート

第2四半期の報告書

米リップル社は28日、2022年第2四半期(4-6月)の報告書を発表。暗号資産(仮想通貨)市場の概要、XRP台帳の進展状況やXRPの出来高や流通量についてまとめた。

リップル社は2Qの仮想通貨市場は、マクロ経済的要因と仮想通貨の信用危機により、資産売却が拡大し、ビットコインとS&P500の30日相関が、過去最高の82%に達したと報告。

また、5月のテラショックをきっかけに、ヘッジファンドThree Arrows Capitalや仮想通貨融資企業大手セルシウスが破綻に至るなど、時価総額が50%以上減少する深刻な事態に陥ったと総括した。

関連:「市場に漂う清算リスクの暗雲」、仮想通貨企業の債務問題・救済策まとめ

一方、長期的には実用性に根ざした開発は勢いを増していると分析。XRP台帳(XRPL)の開発では、アバランチ・ブロックチェーン(AVAX)とXRPLのクロスチェーンDeFiプラットフォームの立ち上げに加え、ノードサービスApexがブリッジのローンチを発表し、相互運用性が高まったと説明した。

関連:Apex、アバランチとXRPレジャーのブリッジをローンチへ

また、XRPL基盤のメタバース構築のため、メタバース関連プロジェクト「FLUF World」と提携。XRPをガストークン(手数料)に使用する、新たなブロックチェーンネットワーク「Root Network」(ルートネットワーク)の開発を発表した。

ルートネットワークは、イーサリアム仮想マシン(EVM)との互換性を提供する。

関連:リップル社がFLUFWorldと提携、XRPL基盤のメタバースを構築へ 

ODLの拡張

また、リップル社は今四半期、XRPベースの決済ソリューション「ODL」(オンデマンド・リクィディティ=流動性)の取引量が前年同期比で9倍超と大幅に増加したと報告。記録的な四半期となったが、5月にリトアニアのオンライン送金業者 FINCIと提携し、新たにヨーロッパーメキシコ間の市場開拓が開始したことも影響しているようだ。

ODLではXRPをブリッジ通貨に使用し、国際送金サービスを提供している。

なお、日本ではSBIグループのSBI VCトレード株式会社が7月末、ODLを用いた国際送金サービスのリニューアルを発表。送金元(日本国内の資金移動業者)と送金先(海外暗号資産交換業者等)の両方で複数事業者が接続が可能になった。ODLの更なるネットワーク拡大効果が期待されている。

関連:リップル社の「ODL」拡張へ、SBI VCトレードがリニューアルを発表 

オンデマンド流動性(ODL)とは

リップル社の提供する国際送金ネットワーク「リップルネット」で使われる技術の一つ。XRPをブリッジ通貨として送金に使用する。

▶️仮想通貨用語集

XRPの販売と買い戻し額

リップル社は今四半期(2Q)、ODLに関連したXRP売上高約2,800億円(21億2,592万ドル)に対して総購入額が約2,270億円(17億1,702万ドル)となり、純売上高が約540億円(4億890万ドル)となったと報告。なお、全四半期の純売上高は約360億円(2億7,327万ドル)だった。

同社は、このような売上高の大幅な伸びは、世界的にODL事業が成長していることに起因していると述べた。

仮想通貨データ企業CryptoCompare社の提供するCryptoCompare TopTier(CCTT)指標によると、リップル社による2QのXRP総販売額は、XRP総取引量の0.47%に相当する。

リップル社がエスクローで管理するXRPに関しては、毎月10億XRPという公式の取り決め通り、2Qに30億XRPが解除された。また、総額23億XRPが返還され、再び新たなエスクロー契約に組み込まれた。

2Qでは、XRPL上で合計1億1,460万件の取引が行われ、総額7,700億円(5,830億ドル)相当の1,265億XRPが取引された。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

コメントしてBTCを貰おう

合わせて読みたい注目記事

新着ニュースをチェック

速報

新着記事

人気記事ランキング