マスターカードのサービス障害に見る、ブロックチェーン決済の可能性

マスターカード一時サービス障害へ仮想通貨擁護派から批判噴出
先日、マスターカード・ネットワークで一時間ほど部分的障害が判明されたが、即座、仮想通貨の支持者から揶揄と批判の総攻撃を受けている。
Mastercard社とは
Mastercard(マスターカード)社はニューヨーク州に本社を構える世界最大級のクレジットカード会社。以前から、ブロックチェーン技術や仮想通貨業界に関心を寄せている企業の1つとなる。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

マスターカード・ネットワークによる部分的停止状態が招く批判

7月12日午後6:05~7:40の間、マスターカード・ネットワークで一時サービス障害が発生し、決済停止の状況となりました。

サービス障害により、決済を妨げられた顧客からはツイッター上でクレームが殺到し、マスターカード社の対応に対して、不満が鬱積しました。

相次ぐ故障が顧客からの信頼を失うか

同じ大手電子決済システムのビザも6月にハードウェア障害によって、イギリスと欧州における一部決済の一時停止が起きたことで、多くの顧客から反感や批判を受けました。

銀行ATMの前に行列ができ、ガソリンスタンドやショップでは「現金のみ」と書かれたメッセージが掲げられ、多岐にわたる商売に影響が及んだ光景がネット上で話題となっていました。

特に現金主義である日本と、キャッシュレスが進む欧州とでは、影響に大きな違いがあるとされ、実生活に多大な影響が出たと問題視されていました。

意外な批判者も殺到

クレジット決済一時停止アクシデントには、意外な批判者が殺到したことでも話題となります。

それは、@MastercardNews 公式ツイッターに対する、仮想通貨サポーターからのバッシングです。

その中のいくつかを取り上げ紹介します。

「今度、BTCで決済したい」

「惨めね、みんな、BTCを使おう!決済に滞り無く、システムに障害となる弱点も無し」

「こんなことが起きるから、ゆくゆくはBTCやアルトコインに座を奪われるんだ」

「xRapidを使いなさいよ!顧客を翻弄するな!」

「BTCや他の仮想通貨はこのような脆弱性には免疫力を持ってるから」

以上のようなコメントを言い換えれば、マスターカードがブロックチェーンを使用するべきだという一辺倒な主張だとも考えられます。

マスターカード社、実はブロックチェーン技術を見据えている

先日CoinPostでも報道したように、マスターカード社は7月17日に仮想通貨決済の処理速度向上に関する特許を取得し、決済速度にとどまらず、安全性の向上にも期待が集まっています。

更に、仮にこの特許が実装されれば、近い将来クレジットカードで仮想通貨とブロックチェーンで決済できるようになると予想されており、未だそれほど解消されていないトークンのボラティリティ・ネットとなるブロックチェーン処理時間を短縮するために、法定通貨の既存システムと仮想通貨の匿名性と安全性を重視した「ハイブリッド」システムを構築することとなります。

ユーザーからこのような多数の意見が寄せられているものの、仮想通貨の価格変動や処理速度にはまだ改善の余地や、問題点も多数あり、実際に実用性には欠けるといっても過言ではありません。

しかし、これらカード会社もブロックチェーンの決済革命の可能性には、本腰を入れており、ブロックチェーンや仮想通貨、また既存の決済システム企業との優位点を重ねることで、私たちの生活をより便利、かつ安全な決済システムの構築に向けた問題解決の糸口が見いだせるかもしれません。

マスターカード社は17日、仮想通貨決済の処理速度向上に関する特許を取得した。処理速度のみならず、安全性向上が期待されており、将来的にクレジットカードで仮想通貨決済ができるようになることが期待されている。
クレジットカード業界2位の米Mastercard社が、ブロックチェーンネットワーク上で「匿名トランザクションを容易にするシステム」の特許申請を行っていたことが判明した。IDと秘密鍵なしに、その内容を見ることができないようにしたもので、管理と制御は中央サーバーが行います。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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