米コインベースCEO、計画的な株式売却を表明 売却資金の用途とは
保有株式の2%を売却へ
アメリカの大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースのCEOは15日、自身の保有する株式の約2%を段階的に売却していく方針を発表した。資金は科学や技術の発展に取り組む事業に寄贈する。
売却した資金は長寿化を可能にする薬品を開発するNewLimitと学術調査を支援するプロジェクトResearchHubに寄付する予定だ。いずれもコインベースのブライアン・アームストロングCEOが始動したものとなっている。
NewLimitは人類の寿命延長に特化した団体。アームストロング氏が共同設立者を務めており、生物学や科学だけではなく、機械学習なども活用していく。
ResearchHubはERC-20規格のリサーチコイン(Research Coin)を活用して、学術調査のオープンな共有を促進するプロジェクト。学界で研究が進む題目とビジネス界における発展でギャップがあると指摘したアームストロング氏が2019年に提唱していた。
コインベースのブライアン・アームストロングCEOは株式の一部を売却していく反面、CEO職は今後も続けていくと説明。事業拡大と仮想通貨、そしてコインベースに対する熱意は変わっていない一方で、別の形で(社会に)貢献していく意欲を示した。
なお、Forbesの調査では、同氏はコインベース株式の約19%を保有している。概算としてはコインベース株式の0.38%が今後、段階的に売却される格好だ。
2022年4月にコインベースが米SEC(証券取引委員会)に提出したProxy Statement(委任状)には同氏が全体では59.5%の議決権を有していることが確認されている。内訳としてはクラスA株を3.4%、クラスB株は69.7%保有している。
コインベースは21年4月、仮想通貨取引所としては初のNASDAQ上場を果たした。一般的なIPOではなく直接上場(DPO)を採用したため、新規株は発行せず、クラスA株が公開(上場)していた。
COIN株価への影響は
コインベースは2021年4月にNASDAQ証券取引所への上場を果たした一方で、上場直後から下落傾向が続く。
アームストロング氏の投稿直後、NASDAQ市場のCOIN株式は74ドルから63ドルまで10%以上も急落。週明けには反発して執筆時点では69ドル台まで回復した。
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