コインベースカストディ、MakerDAO向けにUSDC報酬プログラムを開始

米コインベースとMakerDAOが協業

Coinbase Custodyは24日、大手DeFi(分散型金融)大手Makerプロトコルを管理する「MakerDAO」が保有する資産向けの報酬プログラムを発表した。

同日には、Makerプロトコルが保有するステーブルコイン「USDコイン(USDC)」の33%に当たる約2,360億円(16億ドル)相当をCoinbase Custodyに移し、手数料ゼロで最大1.5%の年間利回り(22億円)を享受するプランがMakerDAOのガバナンス投票で可決していた。

Coinbase Custodyは米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース社が提供する、仮想通貨の保管(カストディ)サービス。本件では、保管に加えて取引・運用サービスに対応する「Coinbase Prime」を通じて、MakerDAO専用の機能を用意する。

これまでの経緯

コインベースは9月28日にMakerDAOに提案書「MIP81:USDCリワードプログラム」を提出していた。

16億USDCはMakerプロトコルの準備金コントラクト「ペッグ安定モジュール」から24時間365日アクセス可能な状態で安全に保持される。

MakerDAOにとっては、MIP81の採用によりDAI準備金の約6割(6,200億円)を占めるステーブルコインUSDCの運用から低リスクの利回りを得るねらい。

コインベースはサークル社と共同事業体「Centre」を設立して、USDCの発行に関与してきた。USDCの最大保有者であるMakerDAOのサポートを通して、USDCプロダクトとエコシステムを拡大するねらい。

MakerDAOの事業開発部門ジェニファー・センハジ氏は、「Coinbase Custodyでの運用は、運用資産を短期債券に割り当てるというDAOの取り組みを後押しする」と述べている。

MakerDAOはバランスシートの多様化戦略を進めており、10月初旬には合計725億円(5億DAI)を米国債などに投資する計画が始動していた。

関連:MakerDAO、725億円を米国債等に投資

Makerとは

Makerプロトコルは、ステーブルコイン「DAI(ダイ)」の発行・管理、レンディングプラットフォーム。MakerDAOはプロトコルの運用方針について、ガバナンストークン(MKR)の投票を通して管理するDAO(分散型自律組織)だ。

DAIは仮想通貨担保型のアルゴリズムステーブルコインで、米ドルの価値と連動しており、1DAI≒1ドルを維持するよう設計される。執筆時点でDAIの時価総額は67億ドル(約9,700億円)で、これはステーブルコインとして4位の規模だ。

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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