特大ニュース発表も、週末下落が続いたビットコイン|急拡大するOTC市場に動き

OTC取引の急増
海外仮想通貨メディアのNewsBTCは、BTC価格の大幅下落の裏には、OTC(相対取引)市場が関係していると言及。消費者からの需要が鈍化していく中、OTC取引の独占率が高まってきており、価格操作が行われやすい環境になっていることを危惧している。

好材料に影響されない価格

8月3日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社に当たるIntercontinental Exchange(ICE)が、仮想通貨売買、保管、消費も念頭に入れたBakkt社を立ち上げることを発表しました。

同社は、マイクロソフトやスターバックス、ボストンコンサルティンググループなどの世界有数の企業との提携を行い、ICEのCEOを務めるJeffrey Sprecher氏も以下のように述べています。

ビットコインは、国際的なお金の動きを簡略化することができる。

世界初の”共通通貨”になる可能性を秘めている。

アメリカの投資会社BKCMのCEOを務めるBrian Kelly氏も、自身のツイッターで新企業Bakktの立ち上げが、いかに大きなニュースであるかを言及。コミュニティ内でも仮想通貨のメインストリームへの進出が一気に加速するのではないかという期待が高まりました。

しかし、その期待とは裏腹に、ビットコイン価格は、8月に入ってからも下落を続け、7月末には、8,000ドル(約88万円)以上で取引されていたビットコインも、8月6日時点で、7,000ドル(約77万円)付近で取引されています。

OTC市場の高まり

そんな中、8月5日、海外仮想通貨メディアのNewsBTCは、この下落の裏には、OTC(相対取引)市場が関係していると言及しました。

多くの短期トレーダーや一般投資家は、Coinbaseや、Binance、Bitfinexなどの大手仮想通貨取引所で取引を行なっており、彼らは、仮想通貨の国際化や技術的発展、大手企業との提携などに敏感であり、ニュースに影響されることが多いとされています。

しかし、以前Coinpostでも紹介したように、Tabb’s Groupは、BTCが上記のような仮想通貨取引所で一般的に取引されるよりも、BTCの店頭販売(OTC)市場の方が、2〜3倍ほど規模が大きいと発表しており、このOTC市場が今回の下落に大きな影響を与えているのではないかと予想されているのです。

もし、このOTC市場の規模が適切に図られていおり、実際にOTC市場がビットコイン取引を独占している状態なのであれば、7月27日を始めとする短期的な下落の説明も付くとされる一方で、価格操作が行われる可能性も高まってしまうと懸念されています。

さらに、BitPayやCoinify、GoCoinなどの仮想通貨決済サービスを提供する企業も、2017年9月の仮想通貨受取は4.1億ドル(約456億円)であったのに対し、現在では6,900万ドル(約76億円)程度にまで減少していることを発表しており、消費者からの仮想通貨利用・需要の低下も顕著に現れてきています。そして、今年1月には決済サービスを提供するStripeも仮想通貨の取り扱いを停止し、大手旅行関連会社であるExpediaも同様に取り扱いを停止しました。

このように、消費者からの仮想通貨需要がさらに低下していくに伴って、OTC市場の独占率も高まってしまい、価格操作が行われやすい環境になってしまうのではないかと懸念されています。

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ここ数日で、仮想通貨市場の時価総額は、3,000億ドル(約33.2兆円)から、7月31日時点で2,850億ドル(約31.6兆円)ほどまで下落を見せた。現時点で、中期的な買いシグナルがあるものの、もし8,100ドル(約90万円)の支持線を下回れば、短期的な下落が加速する可能性があることを示唆している。
ビットコイン取引の内、日本円建てが全体の過半数以上を占めているという情報は間違っているとCoindeskが指摘。同社が新たに発表したデータによると、ビットコイン取引の内、米ドル建てが50%以上を占めており、日本円建ては30%以下に留まった。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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