ビットコインETFの可否判断は、最大240日(2019年2月頃)まで延長する可能性:暴落の原因を探る
ビットコインは8日、日本時間早朝4時過ぎに79万円から73万円まで価格が急落しました。
8月に入ってから下落が続くビットコインだが、5日以降は一時的に下落の流れが落ち着いてはいたものの、期待感の募っていたCboeのビットコインETFに関するSECの公式文書が発表されたことが、投資家心理に作用し、相場の下落に繋がったと考えられます。
ビットコインETFの影響
既存の上場投資信託という枠組みに入ることで、機関投資家の参入障壁となっている、国際的な規制の整備や、ビットコインを含む資産クラスの定義の曖昧さ、保有リスクなどの低減につながり、ビットコイン市場に参入しやすくなるといった利点で、現在一般投資家を中心に取引が行われている仮想通貨市場へ大きな変化をもたらす要因として注目されているビットコインETF。
現在に至るまで、かなり多くのビットコインETFの申請が行われ、7月24日のDirexion Investments投資会社から提出された5つのETF申請の可否判断の延期、7月27日のSECがウィンクルボス兄弟のビットコインETF申請を非承認にしたことなど、相場を乱高下させる要因となっていました。
その様な中でも、依然最有力視されていたのが、本日SECの公式文書が発表されたCboeのVanEck・SolidXによるビットコインETFとなります。
なぜ有力視されているのかは、以下の記事で解説していますので、読んでいただければ、より内容を把握しやすいと思います。
CoinPostの参考記事
Cboeの可否判断日程の公表
では、今回発表があった米SEC(証券取引委員会)のCboe関連ETFに関する内容を見ていこうと思います。
SECの公式文書では、「Securities Exchange Act of 1934(証券取引法)」に基づき、審査可否に関するルールを「Cboeへ申請を開示・提案された取引所のルール変更を十分に審議するための必要日数」を45日間、また必要に応じて45日を追加して90日間と定めており、審査結果の公表日が期限一杯となる「2018年9月30日」となると、初めて具体的な日程が記述されました。
ではなぜ下落したのか?
申請可否の判断について、情報開示から45日計算だと「最短で8月10日、または15日に発表があるのでは」との見方もあったが、SEC側は金融市場に及ぼす影響の大きさなどを鑑みると、審査を進める過程で最大限”慎重な判断”を選択したことになります。
現在、ビットコインの相場は下落傾向にあるため、7月末まで続いたビットコインETF期待が織り込み済みとなる相場となっていたことや、発表される可能性があるとされていた日程が近づいていた状況下での、可否判断延長が行われたことが、投資家心理に影響した形であると考えられます。
この延期は最長でどこまで延期されるのか?
SECがCboe関連ETFの可否判断の延期を発表しましたが、この延期は最終延期となるのでしょうか?過去のETFとSECの申請書類から読み解いていきます。
このビットコインETFの可否判断日程が延長されたことは初めてではありません。
上述した様に、直近では、7月24日のDirexion Investments投資会社から提出された5つのETF申請の可否判断が延長されています。
このDirexion Investmentsが提出したETFの延期は、実は既に240日の延長処置が取られています。
この様に、元々ETFは連邦証券法に入っていなかった為、個別に免除を申請しなければならず、SECは最長で7月2日の申請日から起算して、最大240日(2019年2月頃)まで可否判断を延長する事が可能です。
その流れは以下の通りです。
流れ
1. ETFがルールの変更をSECに求める
2. SECは連邦官報に申請を記述にコメントを求める
3. 可否判断日程に45日の期間が設けられる
しかし必ずしも45日でなければならないわけではなく、最大で3回延長できる。
1. 長い期間が適切である場合(慎重な審査)、45日の延長
2. それでも判断がつかなかった場合、公聴会などを開催など、90日の追加延長
3. この90日延長の期間により長い時間が必要な場合は、60日の延長が可能
これらを含めると、元の45日と3回の延長をプラスして最大240日となります。
また以下が、Direxionの延期の状況です。
パブリック:1/24
延長1回目:3/1(次回45日後)
延長2回目:4/23(次回90日後)
延長3回目7/24(次回60日後)
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