リップル社、仮想通貨規制で英政府に3つの提言
「仮想通貨業界の多様性」への対応を提案
リップル社は15日、英国の政策立案者や当局に対して暗号資産(仮想通貨)規制方法を提案するレポートを発表した。英国で仮想通貨を金融商品として規制する法案が進められていることが背景とみられる。
リップル社は特に、「仮想通貨業界の多様性を最優先に考え」、仮想通貨事業がそれぞれ有する個別のリスクに従って、それらを評価する包括的な法的枠組みを施行することを提言。
「エコシステムの様々な部分は、異なる経済機能を発揮するもので、異なる技術に基づいて構築されており、異なる恩恵とリスクを有している」としており、重要な区分としては「消費者向けの仮想通貨サービス」と「企業向けの仮想通貨サービス」を挙げた。
また、「経済の他の部分との相互接続レベル、つまり、潜在的により広い市場に影響を与えるリスクを持つか」という面も考慮する必要があるとしている。
さらにリップル社は、「ダイナミックに成長する仮想通貨セクターがもたらす機会を最大限に活用するため」には、英国が以下3点を取り入れる必要があると続けた。
- 様々な活動主体を固有のリスクに従って扱う、包括的かつ細やかな規制の枠組み
- 公共部門が業界の発展にすみやかに対応できるよう、規制リソースや当局間との連携強化
- 仮想通貨セクターの発展に合わせて、政策立案者と一般の人々が業界の恩恵とリスクについての理解を深められるようにする教育
「金融サービス・市場法案」が審議中
リップル社の公共政策責任者であるSusan Friedman氏は、バハマを本拠地としていたFTXの破綻に触れて、「規制の枠組みがないと、プロバイダーが流動性を海外に流出させてしまう」「金融行動監視機構(FCA)のような英国当局が消費者を保護するための、独立したメカニズムが現在は存在していない」と指摘した。
英国下院は10月、仮想通貨を金融商品として規制できることを明確にする「金融サービス・市場法案」の修正案を可決したところだ。成立するには今後、上院通過と最終的な審議が必要である。
英国では10月、仮想通貨を促進する政策を打ち出してきたリシ・スナク元財務大臣が首相に就任しており、業界からの期待も高まっている。
もし法案が成立した場合には、英国の規制当局は、詳細な規制ルールを構築することになる。リップル社の欧州・中東・アフリカ地域政策ディレクターであるAndrew Whitworth氏は、ルール作りの際に、FCAがリップル社の提言を考慮することを期待していると述べた。
また、Friedman氏は仮想通貨XRPの位置づけについて、「英国では、XRPが証券とみなされないことは間違いない」とコメント。FCAはXRPを「ハイブリッド取引ユーティリティトークン」だと表現していると説明した。
リップル社は現在、米国で「XRPは未登録有価証券」だと主張するSECと裁判を行っている最中だ。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します