香港の大手仮想通貨OTC事業者Genesis Block、サービス停止へ FTX破綻を受けて

OTC事業のサービス停止

香港の暗号資産(仮想通貨)OTC事業者Genesis Blockが、トレーディング事業を停止することを顧客に通知したことが明らかになった。

また、米連邦破産法第11条(チャプターイレブン)の適用申請を行った仮想通貨取引所FTXに、約70億円(5,000万ドル)強のエクスポージャーを有していることが非公式情報として報じられている。

チャプターイレブンは、日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行うことを目的とする。

関連:破産法適用申請の目的は? FTXのチャプター11申請の重要性を考察

顧客に送付されたメールによると、Genesis BlockHKは22年12月10日にOTC(相対取引)サービスを停止する。現在のところ顧客資金の引き出しに対応しているが、新規顧客の受け入れは停止しているという。

ロイター通信に対してGenesis BlockHKのWincent Hung最高経営責任者(CEO)が語った内容によると、FTX破綻の余波で別の事業者が破綻する影響が懸念されており、一度流動性を確保するために全てのポジションを決済する意向を示している。

また、Coinpost提携メディアThe Blockが匿名情報源に基づいて報じた内容によると、Genesis BlockHKは経営破綻したFTXの口座に5,000万ドルを預けており、OTCサービス停止の引き金になったと見られている。

Genesis Block HKは2012年、マイナー向けのトレーディングセンターとしてWincent Hung氏とClement Ip氏によって設立された。その後、個人・機関投資家向けのOTC取引、ビットコイン(BTC)ATMネットワークの提供と事業を拡大してきた。

Clement Ip氏はかつてFTX香港の取締役を務め、両社は香港でオフィスを共有していたという。FTX香港はチャプター11の適用を申請したFTX関連企業134社に含まれている。

FTXは21年9月にバハマ子会社「FTX Digital Markets」がデジタル資産企業として規制当局からライセンスを取得し、同時期に本社を香港からバハマに移していた。

OTC取引

OTC取引とは、売り手と買い手が1対1で行う取引形態。無料通話やチャットサービスを利用して取引を行うことも可能で、市場と関係なく当事者間で価格や数量を決められる等のメリットがある。Genesis Blockの取引単位は2万ドル(約280万円)~。

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FTX破綻の余波

FTX破綻の影響は、多くの投資企業、仮想通貨関連企業やプロジェクトに飛び火している。シンガポール政府系ファンドのテマセク、大手仮想通貨ファンドのセコイアキャピタル、カナダのオンタリオ州教員年金基金などはFTX関連の保有株式評価額をゼロにする減損処理を発表した。

米FTX USから22年7月に約540億円(4億ドル)の融資を受ける契約を結んでいた米仮想通貨貸借サービス企業BlockFiは破産に向けた準備を進めており、すでに出金など、プラットフォームにおけるサービスの多くを停止した。

関連:FTX破綻が波及、BlockFiも破産準備中=報道

機関投資家向けに仮想通貨レンディングサービスを提供する米企業Genesis Global Capital(Genesis Capital)は16日、償還(及び出金)と新たにローンを組成するためのサービスを停止することを発表。同サービスを利用してきた仮想通貨取引所Gemini(ジェミナイ)の利回りサービス「Gemini Earn」にも波及している。

関連:米Genesis Capital、償還とローン組成のサービスを停止

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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