金融庁、DeFi(分散型金融システム)の実態調査で競争入札実施へ

DeFi調査に関する企画競争入札

金融庁は24日、DeFi(分散型金融)システムに関する実態調査に向けた、企画競争入札の公告を行った。

「分散型金融システムにおけるオンチェーン/オフチェーンデータを活用した実態把握に関する研究」と題された公告によると、要領等の交付を希望する者は、Eメールを通して22年12月9日までに参加申込みを申請する必要がある。

金融庁はまた、企画競争に関する説明会を動画配信形式で12月2日(金)に開催予定。Web会議への参加希望者は12月1日(木)16時までに所定のアドレスにEメールを送信する必要がある。なお、競争入札において説明会への参加は必須ではない。

企画競争入札とは

官公庁入札方法の一つ。あらかじめ発注側が提示した予算の範囲内での企画・技術提案を募り、内容を審査するもの。実現性に優れた事業者を精査するねらい。

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直近ではNTTデータ系でコンサルティングサービスを手掛ける株式会社クニエが、「DeFi を含む分散型金融システムのトラストチェーンにおける技術リスク等に関する研究」を実施。22年6月に金融庁から161ページに及ぶ広範な報告書が公開された。

同研究では、主要なDeFiプロジェクトが一定の“トラストポイント(利用者が無条件に信用せざるを得ない中央集権的要素)”を有しているとの仮定に基づいて、代表的な DeFiプロトコルの事例分析、関係者へのヒアリングなどを行った。

例えば分散型取引所(DEX)Uniswapの場合、コミュニティ運営に一定程度の影響力を持つUniswap Labs、独自トークンUNI総量の18%を有すベンチャーキャピタル、コード監査会社、Metamask含むウォレットプロバイダーなどがトラストポイントとして指摘された。

出典:株式会社クニエ

クニエの研究は、金融庁が2017年から推進している「ブロックチェーン国際共同研究」の一環として実施された。ブロックチェーン国際共同研究は、分散型金融システムにおける根本的な技術リスクに関する知見を蓄積し、今後の政策課題や、ブロックチェーンに関する新しい国際ネットワーク(Blockchain Governance Initiative Network: BGIN)の設立に向けた基礎研究と位置づけられている。

金融庁は10月、金融行政方針におけるWeb3(ウェブ3)で使われる”デジタル資産”のガイドラインについて、ルール整備を促進する方針を示していた。NFT(非代替性トークン)などのデジタルアイテムが、暗号資産(仮想通貨)、及び金融取引に該当するかどうかを判断する基準を明確化すべく議論している。

DeFi(分散型金融)とは

ブロックチェーンを活用し、中央管理者不在の状態で行われる金融サービス、またはそのシステムを指す。DeFiで行われる金融サービスには、ステーブルコインの発行や通貨の貸出、分散型取引所などがある。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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