FOMC議事要旨でビットコイン底堅く推移、今後も米経済指標に注目|bitbankアナリスト寄稿
今週(11/19(土)〜11/25(金))の仮想通貨相場
国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
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bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)
11/19(土)〜11/25(金)の週次レポート:
今週のビットコイン(BTC)対円相場は230万円周辺で横ばい。FTXショックの余波が残る中、FTXにハッキングを仕掛けた通称「FTX Accounts Drainer」が、イーサ(ETH)の売却やBTCペッグトークンへのスワップを週末に始めたことで、ETH主導で上値を重くしたBTC相場は、サンフランシスコ連銀のデイリー総裁が、ターミナルレート(TR)が5%を超える可能性について言及したことで下値を模索。対ドルで は9日に付けた年初来安値を僅かに下回った。
一方、22日には、来年夏に半減期を控えたライトコイン(LTC)相場が急伸しBTCも連れ高。米国債利回りの低下も相場上昇を後押しし、BTCは220万円近辺から二段高を演じ230万円台中盤まで戻した。しかし、同水準で相場は上げ渋ると、米失業保険の新規と継続申請件数増加や、S&Pグローバルの米総合購買担当者景気指数(PMI)の下振れでドル円相場が急落したことにより、円建てBTCの上値を圧迫した。
尤も、24日に公開された11月の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨で、大多数の参加者が、近々、政策金利の引き上げペースを減速させることで合意していたことが明らかとなり、BTCは230万円周辺で下げ止まった。同日には、2014年のMt.Goxハッキングに関与するウォレットに7年ぶりに動きがあったとの情報が出回り、相場は再び失速したが、節目の水準で比較的底堅く推移している。
一時は対ドルで年初来安値を割り込んだBTCだったが、一部アルトコインの反発が救いとなり、窮地を脱した格好だ。また、今週は米国が感謝祭で24日から出来高が細ったことも相場が動意薄となった要因として挙げられる。
しかし、祝日との兼ね合いで月末の金曜日に発表される米個人消費支出(PCE)の発表が来週の12月1日にずれ込む。これにより、雇用関連指標が複数発表される来月の第1週は重要指標が普段より目白押しとなり、BTC相場も大きく動く可能性が指摘される。
10月の米消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は市場予想を下回る結果となり、PCEもこうした流れを汲む可能性が指摘される。また、失業保険の継続申請件数は8〜9月の減少傾向が一転して10月から顕著な増加が確認されており(第2図)、月次の非農業部門雇用者数の伸びは鈍化し、失業率も横ばいか若干の悪化が想定される。
PCEの伸び減速と失業率の悪化は米国債利回りに更なる下押し圧力を掛ける材料となり得る。BTCはFTXショックという未曾有のイベントの直後でも10月CPIの市場予想下振れに反応していたことから、引き続き米経済指標には注目しておきたい。
関連:bitbank_markets公式サイト
前回のレポート:FTTショック余波への懸念燻るも、来週は18000ドル周辺に注目
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