はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

FTTショック余波への懸念燻るも、来週は18000ドル周辺に注目|bitbankアナリスト寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

今週(11/5(土)〜11/11(金))の仮想通貨相場

国内大手取引所bitbankのアナリスト長谷川氏が今週のビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。


目次
  1. ビットコイン・オンチェーンデータ
  2. bitbank寄稿

ビットコイン・オンチェーンデータ

BTC取引数

BTC取引数(月次)

アクティブアドレス数

アクティブアドレス数(月次)

BTCマイニングプールの送金先

取引所・その他サービス

bitbankアナリスト分析(寄稿:長谷川友哉)

11/5(土)〜11/11(金)の週次レポート:

今週のビットコイン(BTC)対円相場は上値の重い展開。11日正午時点で、240万円台中盤で推移している。

4日の米雇用統計で失業率が上昇したことを受け、リスクオンムードで週末を迎えたBTC相場だったが、今週は多くのアルトコインに利食いが入り、300万円周辺で上値の重い展開で始まった。8日には、FTT相場が、アラメダリサーチCEOが示した22ドル防衛ラインを割り込んだことで市場が全面安となり、BTCは300万円から下値を模索する展開となった。

FTT相場暴落によりFTXが経営困難に陥ると囁かれる中、バイナンスがFTXの買収方針を発表し、BTC相場は一時反発するも、FTT相場が一層下げ足を速めたことでBTC相場も安値を更新し260万円近辺まで押した。

週央には、レッドウェーブが予想されていた米国の中間選挙で民主党が巻き返し始めたことで、BTC相場は上値を重くすると、バイナンスがFTX買収を撤回する可能性があると業界メディアが報じ、暫くするとバイナンスからも正式に買収撤回の発表がされ、相場は230万円周辺まで安値を広げた。

一方その後は、シンガポール政府系ファンドのテマセクがFTXに「ステークホルダーとして働きかけている」と報じられ、ポロニエックスのジャスティン・サン氏からもFTXに上場しているTRX系トークンを自らFTXユーザーにスワップを通じて代理返済する計画が発表され、BTCは反発。更に、10月の米消費者物価指数(CPI)が市場予想を下回ったことで米国債利回りが急低下したことも追い風となり、相場は一時260万円にタッチした。

【第1図:BTC対円チャート(1時間足)】出所:bitbank.ccより作成

テラショックとセルシウスショックに続き今年第三のショックがFTT起因となり、市場に大きな衝撃が走った。本稿執筆時点でもFTXからの全面的な顧客資産引き出しは不可となっており、11日にはFTXが救済したレンディングのBlockFiが引き出し停止を発表しており、業界の信用毀損に加えて影響の余波は依然として測り知れず懸念は燻る。

チャートの面では、BTC対ドル相場は、6月から続いたレンジ相場を下方にブレイクしており、年初来安値を1,700ドルほど更新した(第2図)。ただその一方で、今回の相場急落はテラショックとセルシウスショックの際と比べると、現状では下げ幅は控えめだったと言え、足元ではレンジ下限回復も視野に入る展開となっている。

【第2図:BTC対ドルチャート(日足)】出所:bitbank.cc、Glassnodeより作成

FTTショックにより米CPIの市場への影響が薄れる可能性もあったが、結果はヘッドラインとコア指数の双方が市場予想を下回り、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げペース鈍化を正当化する内容で、10日のBTC相場反転を後押しした。また、この日は複数の米地区連銀総裁がより慎重な利上げペースを支持する発言をした他、フィラデルフィア連銀のハーカー総裁が、政策金利を4.5%まで引き上げたら様子を見る考えを明らかにした。

これまで市場ではターミナルレートが5%を超える予想が大勢となっていただけに、ハーカー総裁の発言の影響力は大きかったと見ている。 以上のように、FTTショック余波への懸念は燻るものの、より現実味を帯びてきたFRBの利上げペース鈍化気運にBTC相場は支えられており、この先は10日戻り高値の18,000ドル周辺を背に底堅い展開が想定される。

寄稿者:長谷川友哉長谷川友哉(ハセガワ ユウヤ)
英大学院修了後、金融機関出身者からなるベンチャーでFinTech業界と仮想通貨市場のアナリストとして従事。2019年よりビットバンク株式会社にてマーケットアナリスト。国内主要金融メディアへのコメント提供、海外メディアへの寄稿実績多数。

関連:bitbank_markets公式サイト

前回のレポート:上値重くも底堅いビットコイン、米指標に振り回されつつ値固め続くか

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
08/18 月曜日
17:00
Tezos ecosystem at WebX 2025:RWA最新動向から日本限定グッズ、体験型コンテンツまで一挙公開
テゾス(Tezos)は、ハードフォークなしでアップグレードできる独自の仕組みを持つブロックチェーンプラットフォームです。2014年にArthur Breitman氏とKathl…
15:50
NewLo、リワードプログラム上のポイントを暗号資産に交換できる新機能をリリース
Web3マーケティング企業のNewLoは8月18日、「NewLo Quest」でポイントを暗号資産ETHに交換できる機能を開始。企業向けサービスも展開し、既存ポイントプログラムのブロックチェーン拡張を支援。
14:27
スイス大手スーパー「SPAR」、全国100店舗で仮想通貨決済開始 
スイスの大手スーパーマーケットチェーン「SPAR」が全国100店舗で仮想通貨決済を開始した。Binance PayとDFX.swissとの提携により、100種類以上の仮想通貨とステーブルコインでの支払いが可能になる。
13:30
加藤財務大臣・金融担当大臣の「基調講演」が決定|WebX2025
加藤財務大臣・金融担当大臣が登壇決定 国内最大手のWeb3メディア「CoinPost」の運営会社、株式会社CoinPost(本社:東京千代田区、代表取締役CEO:各務貴仁)が企…
12:28
イーサリアム RWAトークン化のリスクとは?有識者が指摘する課題と対策
ニューヨーク大学教授が、仮想通貨イーサリアムにおける資産トークン化が普及する上での課題を指摘した。大規模採用前に解決すべき問題を提示している。
12:11
メタプラネット、137億円でビットコインを追加購入 
メタプラネットは137億円で仮想通貨ビットコイン 775BTCを追加購入し、累計18,888BTCを保有。通算取得額は2,840億円超に到達し、戦略的なBTC投資を継続している。
11:59
ビットコインETF好調も個人投資家は利益確定売り先行、ジャクソンホール会議控える中
仮想通貨市場ではビットコインETFやイーサリアムETFに過去最高水準の資金流入が続く中、BTC価格は調整中。ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長の利下げ示唆に期待が高まる一方、機関投資家の買いと個人の利益確定売りが交錯している。
09:56
タイ政府、外国人観光客に仮想通貨決済システム「TouristDigiPay」を提供開始
タイ政府が外国人観光客向けに仮想通貨をバーツに交換して決済できる新システムを導入する。マネロン対策などで安全性を確保しつつ、観光業活性化を目指す。
08/17 日曜日
19:37
金融庁、日本円建てステーブルコイン「JPYC」承認へ=日本経済新聞
金融庁が国内初の円建てステーブルコイン「JPYC」を承認へ。今秋にも発行開始予定で、3年間で1兆円分の発行を目標とする。JPYC代表の岡部氏は「ステーブルコインは巨大な国債消化装置」とコメントし、日本国債市場への影響を予測。国際送金やDeFi活用に期待が集まる
14:00
今週の主要材料まとめ、ビットコイン6年以内1000万ドル到達の可能性やリップル訴訟終了発表など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナといった主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
12:00
ステーキング 主要取引所の仮想通貨別・年率報酬を徹底比較
【2025年7月最新】国内主要取引所のステーキング対応銘柄と年率を一覧比較。イーサリアムやソラナなど人気コインの高利率サービスを紹介し、各取引所のメリット・デメリットや税金のポイントも解説します。
11:30
ビットコイン1750万円台で方向感欠く、ジャクソンホール会議が転換点に|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン(BTC)対円相場が1750万円周辺で方向感を欠く展開。米CPI下振れで利下げ期待が高まるも、PPI上振れで大幅利下げ観測が後退。来週のジャクソンホール会議とパウエルFRB議長発言が相場の鍵を握る。テクニカルサポートも豊富な現在の市況を詳しく分析。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|メタプラネットの大幅増益に高い関心
今週は、メタプラネットの決算発表、バリュークリエーションのビットコイン全売却、スコット・ベッセント米財務長官のビットコイン準備金に関する投稿のニュースが最も関心を集めた。
11:00
『守りの金(ゴールド) vs 攻めのビットコイン』資産配分における役割の違いを解説
相場暴落時に注目の集まりやすい金(ゴールド)とビットコインの比較を初心者にもわかるよう解説、インフレ耐性や政府の影響回避といった類似性と、安定性や価格変動要因の違いを比較、投資戦略や資産配分のポイントも提示する。
08/16 土曜日
13:45
トランプ一族支援のアメリカンビットコイン、日本・香港企業買収を検討
ドナルドJrとエリック・トランプ氏が支援する米仮想通貨マイニング企業アメリカンビットコインが、日本と香港の上場企業買収を検討中。マイケル・セイラー氏の戦略に倣い企業財務でビットコイントレジャリー企業を目指す。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧