米議会両院、FTXのサム前CEOを公聴会に召喚へ

FTX前CEOの公聴会出席

米上院銀行委員会は7日、暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの前CEOサム・バンクマン=フリード氏(SBF)宛ての書簡を発行した。

12月14日に同委員会が開催する公聴会に向けて、期日までに出席する意向を示さない場合に召喚状を提出する構えを示している。

米上院銀行委員会のシェロッド・ブラウン委員長(民主党)によると、公聴会では経営破綻したFTXの実情や仮想通貨市場への影響について議論する。

前日の12月13日には、米下院金融サービス委員会が別途公聴会を開催し、FTXのジョン・レイIII新CEOが証言する予定だ。

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なお、海外メディアCNBCは7日、下院金融サービス委員会のマキシン・ウォーターズ委員長(民主党)が「SBFを召喚する予定はない」と関係筋に漏らしたと報じた。しかし、同氏はこれを否定しており、SBF氏に召喚状を送付する可能性はあると示唆している。

SBFはウォーターズとのツイッター上での対話を通して、13日に開催される「公聴会には間に合わないかもしれない」と出席しない意向を示唆していた。「何が起こったのかを学び、検討を終えた後に、委員会で説明することは自身の義務である」として、将来的に召喚に応じる意向を示していた。

民主党へのFTX多額寄付

マキシン・ウォーターズ氏は、米下院金融サービス委員会でデジタル資産市場の調査・研究を主導してきた人物。2019年にはメタ(旧Facebook社)が主導するリブラプロジェクトについて「開発プロジェクトの一時中断」を求めたほか、22年には米超党派ステーブルコイン法案の交渉にも当たってきた。

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FTXはこれまで民主党に対して多額の寄付を行ってきたことで知られる。中間選挙に向けてFTXは、2022年に主に民主党に対して54億円(3,900万ドル)を寄付したと伝えられている。非営利団体OpenSecretsによると、この額はジョージ・ソロス氏に次ぐ2番目の規模である。

SBF個人としても、SEC(米証券取引委員会)のゲーリー・ゲンスラー委員長(民主党)やウォーターズ氏を含む、規制当局の重要人物と積極的に対話を続けてきた。こうした経緯から、野党である共和党議員からは「規制の独占」を試みるFTXに民主党陣営が加担したかのような批判も出ていた。

なお、バハマの規制下にあるFTX Digital MarketsのRyan Salame共同CEOは、主に共和党に約31億円(2300万ドル)を寄付しており、FTXの政治活動は必ずしも民主党だけに向けられた動きではない。

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11月に終えた米国中間選挙で共和党が下院選を制したため、下院金融サービス委員会の委員長の座は年明けにも次期議長候補のパトリック・マッケンリー共和党議員に移行すると見られている。SBF氏が12月13日の公聴会に出席しなかった場合、共和党側がFTX破綻に関する対応を引き継ぐ見通しだ。

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