海外仮想通貨取引所Bybit、分散型取引所「ApeX」を統合

Bybit Web3戦略

海外の暗号資産(仮想通貨)取引所Bybit(バイビット)は今週、分散型取引所ApeX Proのサポートを発表した。BybitのWeb3ゲートウェイ戦略の一環で、Bybitウォレットから同DEXへのアクセスが可能になった。

Bybitは10月28日にWeb3プラットフォームのゲートウェイとして「Bybit Web3」をローンチ。オールインワンのマルチチェーンプラットフォームとされ、独自ウォレット「Bybitウォレット」を通じて主要なdApps(分散型アプリ)にアクセスし、トークンやNFT(非代替性トークン)を一括管理できることが特徴だ。

同社は将来的に多くのdAppsや分散型取引所(DEX)と提携していく方針を示しており、ApeX Proの統合はその足がかりとなる。

出典:BYBIT

なお、Bybitウォレットは、Bybitが顧客資産の(秘密鍵)を管理するカストディアル型。あくまでApeX Proを含むdapps(分散型アプリ)へのアクセスを容易にする点でユーザビリティ向上が目的であり、中央管理者(Bybit)に依存するカウンターパーティリスクは存在する。

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ApeX Proとは

ApeX Proは、仮想通貨の永久先物取引(オーダーブック型)を提供しており、KYC(顧客確認)なしで誰でも利用できる。レイヤー2スケーラビリティエンジンとしてStarkware社が開発した「StarkEx」で構築されており、毎秒約10件のトランザクションと1,000件の発注・取消を処理する。

Bybitは、DeFiに慣れたユーザーは「Metamask(メタマスク)などノンカストディアル(非保管)型の仮想通貨ウォレットに資金を保持したまま、ApeX Proを使用できる」と認めている。ApeX Proはマルチチェーンに対応しており、BSC(BNB)、ポリゴン(MATIC)、イーサリアム(ETH)、Arbitrum(イーサリアムL2)から、デポジットコントラクトに接続可能だ。

元大手取引所FTXの破綻、及び同社が顧客資産を流用してきた疑惑の出現により、中央集権的な取引所に対する不信感が高まる中、ユーザーの関心はブロックチェーン上で資産状況が公開されている分散型取引所(DEX)に向けられている。しかし、多くのユーザーにとって自己責任が要求されるDeFiの世界に抵抗があるのも実情だ。

Bybitのねらいは、そうしたライトユーザーの取り込み。Bybitウォレットは12月にIDO(トークンセール)やエアドロップ管理ツールのリリースを予定。より多くのトークン獲得機会を提供する。同社は以下のように述べている。

Bybitのミッションは、クリプトの箱舟になること。良くも悪くも、次のレベルの信頼性、製品、機会でユーザーを前進させることだ。

Bybitは市場データサイトCoinGeckoのデリバティブ取引所ランキングで、取引量で7位にランクインするグローバル取引所。22年初頭にはアラブ首長国連邦(UAE)のドバイにグローバル本部を移転する計画を公表していた。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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