マウントゴックス、債権者の弁済期限日などを延長
各期限日を変更
2014年に経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所マウントゴックス(Mt.Gox)は6日、裁判所の許可を得て、債権者が弁済方法の選択と弁済先情報の登録を行う期限を、2023年1月10日から同年3月10日に変更したと公表した。
変更の理由については、債権者による上記手続きの進捗状況などを考慮したと説明。この変更に伴い、基本弁済期限日と早期一括弁済期限日、中間弁済の期限日を23年7月31日から同年9月30日に変更したことも報告した。
2011年のハッキング被害によって破綻したマウントゴックスは、再生計画を進めている。このまま弁済が完了すれば、債権者は約10年越しに補償が受けられることになるが、弁済が売り圧力につながる可能性があるとして、投資家は警戒をしてきた。
マウントゴックスはビットコイン(BTC)を約14万BTC(現レートで3,100億円相当)保有しているとみられている。昨年には、債権者に多額の弁済が一斉に行われると憶測が立ち、市場に大きな売り圧力が生じるのではないかとの懸念が一部で生じて、債権者が憶測を否定したことがあった。
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手続き上の注意
弁済方法の選択と弁済先情報の登録を行うシステムは、昨年10月にリリースしている。今回の説明から、債権者の手続きが想定通りに進んでいない状況が明らかになった。
債権者が期限までに手続きを行わない場合、以下の弁済を受けることができなくなるという。
- 早期一括弁済
- 仮想通貨再生債権の一部に対する仮想通貨での弁済
- 銀行送金による弁済
- 資金移動業者による送金を用いた弁済
また場合によっては、必要な書類などをマウントゴックスの本店か再生管財人が指定する場所に持参し、日本円(現金)による弁済を受けることになる可能性があるとした。
再生管財人は、新たな期限後に可能な限り速やかに弁済を行うため、今回の案内を掲載した後から、弁済方法の選択と弁済先情報の登録の内容等を確認する作業を開始すると説明している。
マウントゴックスとは
2010年から2014年にかけて運営された、東京を拠点とする仮想通貨取引所。ハッキング被害によって閉鎖しており、これをきっかけにして、取引所がハッキングされたり、誤送信などで仮想通貨を失ったりすることを「GOXする(ゴックスする)」と呼ぶ慣習が生まれた。
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