BlockFi、内部関係者の出金について開示

財政状態報告書を提出へ

破産申請した暗号資産(仮想通貨)貸借サービス企業BlockFiは9日、利害関係者向けに、今後の手続きや現在の状況などを説明したプレゼン資料を公開した。

BlockFiは昨年11月に米国でチャプターイレブンにより破産申請を行った。同月より、BlockFi買収に関心を持つ106の候補とコンタクトを取っており、1月30日には、入札プロセスに関して裁判所の承認を求める予定だとしている。

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

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インサイダーによる出金とその背景

また、1月11日には、資産と負債の明細書と、財政状態報告書の両方を裁判所に提出する見込みだ。この書類では、BlockFiのインサイダーやその他の関係者が行った出金についても開示されている。

BlockFiは、内部関係者の取引についてプレゼン資料でも説明した。

同社CEOのZac Prince氏は、2022年4月にBlockFiのプラットフォームから約12億円(約920万ドル)を引き出していた。また、8月には約1.8億円(約136万ドル)を追加で引き出した。同社は、Prince氏がその資金を税金の支払いに充てたと述べている。

しかしBlockFiは、この資金は、あくまでもPrince氏の個人資産であるとしており、仮想通貨メディアThe Blockに対して次のように語った。

BlockFiのユーザーと同様に、Prince CEOは自身の個人資産をBlockFiのプラットフォーム上に預けていた。資産の相当部分をプラットフォーム上に保持していた形だ。

2022年4月に行った引き出しは、米国連邦税と州税を支払うためだった。また、同CEOと他の内部関係者は、2022年10月14日以降、資金引き出しを行っていない。さらに、8月17日以降は、0.2 BTC以上の出金も行っていない。

FTXからの融資

BlockFiは、資金引き出しの背景としては、FTXから受けていた融資があったとしている。

昨年6月に、BlockFiが取引先に訴訟を起こされそうになった際、FTXがBlockFiの内部関係者に、和解金として使うために約20億円(1,500万ドル)を提供したという。和解の構造上、BlockFiからの支払いは同社幹部を経由し、最終的に取引先に行われた。

この和解金は、同社役員の手元を通過していっただけで、役員は資金を保持しなかったが、この役員に対して、税金の支払い義務を生じさせた。このための資金をプラットフォームから引き出したとされる。

その他に、FTXとBlockFiは、BlockFiが2022年6月から11月の間に、ユーザーが求める数十億ドル規模の出金やその他の取引を処理できるようにするため、FTXが約527億円(4億ドル)相当の仮想通貨を融資することを約束する取引を結んでいた。

このために、BlockFiの流動性は確保されたものの、FTXとの取引によって同社の株式価値が下がった。

また、概観として2022年にBlockFiは合計約1,000億円(77億ドル)の出金を処理していたが、経営陣によるものはその合計額の0.15%だったとも述べている。

BlockFiは、「すべてのユーザーや利害関係者の価値を最大化することに全力を尽くす」としており、12月19日には、「BlockFi Wallet Account」を使用する顧客の出金を許可するよう米破産裁判所に申し立てたところだ。この口座は利子がつかないもので、仮想通貨の保有や売買に利用されていた。

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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

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