仮想通貨関連企業へのVCの投資総額、2021年を上回る 投資先はWeb3関連がトップ
21年を上回る投資総額
暗号資産(仮想通貨)メディアWuBlockchainは10日、ベンチャーキャピタル(VC)による2022年の仮想通貨関連企業への投資状況をまとめたレポートを発表。プロジェクト数及び投資総額ともに2021年を上回ったと報告した。
仮想通貨分析企業Messariのデータによると、公開されたVCプロジェクト件数は1,769件で、2021年から30%増加(2021年:1,364件)。投資総額は4.98兆円(377億ドル)で2021年から19%増加した。(2021年:4.17兆円≒316億ドル)
投資分野別に見ると、Web3関連が36%で最も大きな割合を占め、DeFi(分散型金融)が18%、インフラ関連が17%、NFT(非代替性トークン)/GameFiが16%、CeFi(中央集権型金融)が14%の順になった。
最も多くのプロジェクトに投資したVCは米大手取引所コインベースの投資部門で119件。Web3大手のAnimoca Brandsが118件で続き、以下、SHIMA(88)、Spartan(64)、Dragonfly(61)、Alameda(59)、A16z(57)の順となった。
CeFiを除いた資金調達額で、トップになったのは昨年5月に破綻したDeFiプロジェクト「Luna」で約1,300億円(10億ドル)。なんとも皮肉な結果だが、2位にはそれぞれ594億円(4億5,000万ドル)を調達したNFTスタジオのYuga Labsとイーサリアム系ソフトウェア企業ConsenSys、仮想通貨Polygonが並んだ。
それに続くのが大手マイニング企業のCompute Northで、約509億円(3億8,500万ドル)を調達したが、同社は昨年9月に米破産法の適用を申請。11月に米仮想通貨コングロマリットDCGの子会社であるマイニング大手Foundry Digitalが、買収を発表した。
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前出のAnimoca Brandsは2022年に約475億円(3億5,888万ドル)を調達。これまでの資金調達額累計は790億円(6億ドル)を超えた。さらに同社は今年第1四半期に、メタバースファンドで約1300億円(10億ドル)の資金調達を目指している。
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VC投資の縮小
一方、2022年は結果的に投資件数及び投資総額でこそ2021年を上回ったものの、Three Arrows Capital(3AC)やFTXなど大手仮想通貨企業の連鎖的な破綻が続いた厳しい状況を受け、VC投資にも大きな影響を及ぼしている。
仮想通貨投資会社Galaxy Digitalは、年次VCレポートで、投資のほとんどは上半期に行われたと指摘。投資は第3四半期と第4四半期に大幅に減速し、第4四半期には投資契約件数及び投資額は過去2年間で最低となったと報告した。
投資のステージ別に見ると、初期段階のプロジェクトへの投資が減少し、後期ステージに入ったプロジェクトへの投資が堅調だった。シードステージの前段階であるプレシード案件への投資は数年来の減少を続けており、22年第4四半期には、レイトステージの案件数が初めてプレシード案件数を上回ったという。
Galaxy Digitalはこの現象が仮想通貨業界の成熟度を表しているとの判断を示したが、同時に近い将来、新規企業や新製品の減少につながる可能性を指摘した。
投資分野別に見ると案件数ではWeb3関連(アーリーステージ)が特出しており、2022年第4四半期では投資全体の30%以上を占めた。
一方、投資資金の額では、取引や投資のためのプラットフォームやツールを構築している企業(レイトステージ)が引き続き優勢となったことから、レポートは、仮想通貨エコシステムにおける市場インフラが重要視されていること、また成熟度が高まっていることの証左だと述べた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します