Foundry USAの拡大
米暗号資産(仮想通貨)コングロマリットDCGの子会社であるFoundry Digitalは22日、破産申請中の米採掘会社Compute Northの施設を買収することを発表した。
また、DCGの別の子会社でレンディング事業を手掛けるGenesis Capitalの流動性危機への関心が高まっている中、新たな買収行動はDCGグループの豊富な資金力を窺わせる。
If Barry is “dead,” why is he buying new mining facilities? https://t.co/NXWEgYzhJ6
— Will Foxley 🧭 (@wsfoxley) November 22, 2022
DCG傘下のFoundry Digitalは、米国で最大規模のマイニング プール「Foundry USA」を運営。BTC.コムによると、執筆時点でビットコイングローバルハッシュレートのトップシェア(24.4%)を占める。
リリースによると、Foundry DigitalはCompute Northの2つの仮想通貨マイニング施設を買収する。また、建設中の3つ目の施設を取得するオプションも得る。契約内容は以下の通りだ。
- サウスダコタ州とテキサス州にある2つの採掘施設
- ネブラスカ州の建設中の施設を引継ぎ、運営する権利
- 採掘マシン一式
- Compute North独自の知的財産
Foundry Digitalは21年1月にCompute Northと提携、ビットコインをマイニングするための機関投資家レベルのターンキー(すぐに使えるの意)ソリューションを北米の企業に提供する方針を発表した経緯がある。
Compute Northは22年9月に米連邦破産法11条(チャプターイレブン)の適用を申請。債権者はおよそ200社で、負債総額は5億ドル(約700億円)に上る。
Foundry Digitalのマイク・コリアー最高経営責任者(CEO)はリリースで、Compute Northの施設買収により、デジタル資産のインフラを強化するという同社の使命を強化したいと述べている。
Compute Northは我々の長年のパートナーであり、北米のマイニング・エコシステムを成長させてきた長年にわたって基盤を築いた。これを継続する機会を得たことを嬉しく思う。
2022年の仮想通貨冬の時代にビットコイン・マイナーの収益性が低下。マイナーの資金繰りが悪化する中、適切なヘッジポジションを構築していなかった事業者の淘汰が進んでいる。
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Genesisの財務問題
DCGの子会社で、機関投資家向けに仮想通貨レンディングを提供する「Genesis Global Capital(Genesis Capital)」は11月16日に償還(及び出金)と新規のローン組成を停止した。
Genesis Capitalは仮想通貨取引所FTXの経営破綻の余波で流動性危機に瀕していると見られ、5億ドルの手元資金の調達に取り組んでいると、ブルームバーグが関係筋の話として22日に報じた。
なお、Genesis Capitalの破産申請については直ちに行う予定のものではなく、今も解決策を探っている状態。資金集めについて、親会社のDCGはベンチャー投資のポートフォリオの一部や、子会社グレースケールを売却する意思がないことも伝えられている。
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