イーサリアム、上海アップグレードに向けメインネットのシャドーフォークを実施
イーサリアムのテストを継続
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)は23日、次期アップグレード「Shanghai(上海)」に向け、メインネットのシャドーフォークを実施した。
実施後にクライアントの「Geth」で問題が確認されたが、即座に修正。その後も、故意に問題のあるノードを稼働させるなど、テストを継続していくという。Shanghaiの実施目標は今年3月で、イーサリアムの公式ウェブサイトには2023年6月までに実施予定と記載されている。
クライアントとは
イーサリアムのクライアントとは、イーサリアムの仕様を実装し、P2Pネットワークを介して通信できるようにするためのソフトウェアのこと。ノードはクライアントを利用することで、イーサリアムのネットワークに参加することができるようになる。
イーサリアムでは複数のクライアントが開発され、単一障害点がないようにされているが、各クライアントは相互運用が可能である。
▶️仮想通貨用語集
シャドーフォークは、開発用のテストのこと。今回は、イーサリアムのメインネットをフォークさせた環境でテストを行っている。イーサリアムの開発者はShanghaiに向け、以前からシャドーフォークによるテストを実施。23日に新たにシャドーフォークが行われることは先週に予告されていた。
イーサリアムの開発者Marius Van Der Wijden氏は23日、シャドーフォークのブロックが正確にファイナライズ(確定)していることを報告。今回のシャドーフォークは、ステーキングされたイーサリアムの出金機能のテストに特化しているとみられる。
現在イーサリアムでは、ステーキングはできるが出金がまだできず、Shanghaiでは、ステーキングされたイーサリアムを引き出す機能の実装が予定されている。
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出金のFAQを公開
イーサリアムのプロトコルサポートを行うTim Beiko氏は21日、ステーキングされたイーサリアムの出金に関するFAQを公開したことを発表。このFAQは、出金に関することをほぼ全て網羅しているという。
FAQには「Shanghaiは実行レイヤーのフォークの名称で、コンセンサスレイヤーのアップグレードはCapellaという名称である」といった基本的な内容も掲載。他にも、「出金してバリデータの運営を終了する場合のプロセスはクライアントによって異なること」なども記載した。
投資家の間では、出金機能の実装がイーサリアムの売り圧になると懸念する声もあるが、出金できるようになることで新たなステーキング参加者を呼び込めるといった前向きな見方も上がっている。
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