オランダ中銀、コインベースに4.7億円の罰金
ライセンス未登録期間に対する罰金
オランダの中央銀行は26日、暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが過去にライセンス登録せずに同国でサービスを提供していたとして、約4.7億円(約330万ユーロ)の罰金を科したと発表した。
コインベースは、2022年9月に、オランダ中銀への事業登録を完了したが、これ以前の期間(2020年11月15日~2022年8月下旬まで)は未登録だった形だ。
オランダで仮想通貨サービスを提供する企業は、オランダのマネーロンダリングおよびテロ資金調達防止法に基づき、オランダ中銀に登録することが義務付けられている。
オランダ中銀は、コインベースの違反は、罰金の基準額を約2.8億円(200万ユーロ)とするカテゴリー3に当てはまると説明。今回、基準額を上回る罰金を科したことになる。
罰金を引き上げた理由については、まず、コインベースが世界でも最大の仮想通貨サービスプロバイダーの1つであり、オランダも相当数のユーザーを抱えているなど責任の度合いが大きいことを挙げた。
さらに、コインベースがオランダ中銀に監督料を支払っておらず、関連するその他の費用も発生していない点で、競争上の優位性を持っていたことを指摘。また、2年弱という長期間未登録だったことも考慮したと述べている。
一方で、コインベースが、未登録期間中もライセンス登録を取得しようと意図していたことに照らして、罰金を5%減額したと続けた。2023年3月2日まで、コインベースは罰金に異議を唱えることが可能だ。
コインベースとは
アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコに本社を置く仮想通貨取引所である。コインベースの創業は2012年。世界最大手の民泊サービスのエンジニアを経験した人物と、大手証券会社の為替ディーラーを経験した人物が共同で事業を立ち上げ、短期間で仮想通貨業界のトップベンチャーとなった。
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同様の事例
オランダ中銀は、同様の罰金を2022年7月、バイナンスにも科している。その際にも額は4.7億円だった。
オランダ中銀は2022年12月、仮想通貨取引所KuCoinに対しても、オランダで無許可で事業運営していると警告を発したところだ。
これに対してKuCoinの広報担当者は、次のようにコメントした。
KuCoinはセイシェルで登録している。グローバルな取引所として、KuCoinは世界中の最新の規制に注意を払っており、セイシェル以外の地域の法律や規制を尊重している。
しかし、KuCoinはオランダの事業体ではなく、オランダにオフィスは設けていない。
日本事業を見直し
コインベースは18日、日本事業について全面的な見直しを行うと発表したところだ。日本の既存ユーザーとの取引も停止する。コインベースは世界的に事業縮小を行っており、その一環となる。
コインベース事業開発・国際部門のナナ・ムルゲサン氏は、日本が事業縮小の対象に含まれる理由について「デジタル資産領域の不況に伴い、国際的な投資を見直すため」と説明していた。
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