イーサリアム、上海アップグレードの次のテストを2月末に設定

上海起動に向けたテスト日程

暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)のブロックチェーンの次期アップグレード「上海(Shanghai/Capella)」について、テストスケジュールが更新された。

8日に公開テストネット「Zhejiang(浙江省)」で“上海”の起動が成功したため、今後はイーサリアムの2つのテストネットでそれぞれ上海を起動する予定だ。

コア開発者のTim Beiko氏によると、まずはSepoliaで2月28日の上海実装を予定しており、3月中旬にかけてGoerliテストネットでも展開。メインネットでの上海実装は3月末から4月頃になることが予想されるが、その過程でバグが見つかればスケジュールは再調整されることになる。

仮想通貨取引所やステーキングプールなどのステーキングサービスプロバイダーは、これらの公開テストネットで本番前にステーキングETHの出金機能をテストする格好となる。

関連:イーサリアム、テストネットでステーキングの出金処理に成功

イーサリアムへの影響は

ステーキングとは所定の期間、一定量の仮想通貨を預け入れることで報酬が得られる仕組み。ブロックチェーンの運営に貢献することで、対価として報酬を得ることができる。

イーサリアムのブロックチェーンは現在ステーキングはできるが、ステーキングしたイーサリアムや報酬の引き出しはまだできない。この出金機能の実装が行われるのが上海で、現在イーサリアムの開発者はテストを継続している。

公式ウェブサイトによると、現在ステーキングされているイーサリアムの数量は1,640万ETH(約3.5兆円)超。出金機能の実装は、短期的には一定の売り圧力を引き起こすとの見方があるが、資金拘束がなくなり流動性が向上することはポジティブな側面もあり、中・長期的には新たなステーキング需要を喚起するとも期待されている。

データプロバイダーであるStaking Rewardsによると、イーサリアムのステーキング率は約14%と、ソラナ(SOL)やアバランチ(AVAX)など60%を超える競合ブロックチェーンと比べて低い。

仮想通貨のインデックスファンド運用会社Bitwise Asset Managementの最高投資責任者Matt Hougan氏は「無期限のロックアップが解除されれば、ETHステーキングを求める投資家の割合は爆発的に増える」として、23年末までにETH流通量に対するステーキング率が少なくとも50%上昇すると予測。

投資銀行JPモルガンは「上海アップグレード後にコインベースの個人投資家の95%がイーサリアムのステーキングに参加する可能性がある」と指摘しており、コインベースの年間収益が現在価格で2億2500万ドル(295億円)から5億4500万ドル(700億円)まで拡大すると試算している。

関連:米SECのクラーケン起訴をどう見るか、イーサリアムステーキングへの影響を考察

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