Alchemy、分散型アプリ開発のツールキットを公開
Web3アプリ開発を便利にするツールキット
Web3開発者向けに構築ソリューションを提供するAlchemy(アルケミー)は25日、dApps(分散型アプリ)を開発するためのツールキット「Create Web3 Dapp(CW3D)」を発表した。
ツールキットはマルチチェーンに対応しており、無料で使用することができる。イーサリアム(ETH)、ポリゴン(MATIC)、オプティミズム(OP)、アービトラム(Arbitrum)のチェーンに対応している。
既に構築されたdAppsのテンプレートが用意されており、開発者はそれを利用してプロジェクトのプロトタイプを作成。さらにカスタム要素として、これも既に用意されているコンポーネント(構成要素)の中から選んで追加することができる。
dAppsとは
「Decentralized Applications」の略で、日本語では「分散型アプリケーション」と呼ばれる。中央集権的な管理者がいないことが大きな特徴。最も普及しているのがイーサリアムのブロックチェーンで、ゲームや分散型取引所(DEX)などのアプリが開発されている。
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特徴
Alchemyは、このツールキットはWeb3における「ライフハック」だとしており、以下の特徴を挙げた。
- すぐにプロダクト構築に使える。数行のコードでビルド済みのコンポーネントを追加可能。
- 可変性。必要なコンポーネントをストックから探して適用し、最適化できる。
- 抽象化。複雑さを軽減しており、セットアップとインストールを行う。
- 包括的。APIリクエストからフロントエンドまで、信頼性の高いコードを用意。
また、NFT(非代替性トークン)のエクスプローラーも公開されている。このエクスプローラーでは、任意のウォレットアドレスが所有しているNFTを検索したり、指定されたコレクションの全NFTを表示することが可能だ。
今後、CW3Dのプラットフォームでは、多くのカスタマイズ可能なテンプレートがリリースされていく見込みである。
Alchemyのプロダクト責任者Elan Halpern氏は、CW3Dをオープンソースにした理由について、次のように語った,
CW3Dツールは、dApps開発をより簡単にすることで、他の多くのエコシステムや、その開発者・関係者を巻き込み、人々がそこでエコシステムに貢献できるようにする。
また、Alchemyの使命は、「ブロックチェーンやWeb3を10億人の人々に届けること」であり、このビジョンを実現するための方法の一つは、開発者に力を与えることだとも続けた。
Astar Networkとも提携
Alchemyは世界197カ国、数百万人のユーザーを支えるブロックチェーン開発プラットフォームのリーディングカンパニーである。2022年2月のシリーズC1ラウンドでは企業評価額1.4兆円(102億ドル)で約270億円(2億ドル)を調達した。
日本発パブリックブロックチェーン「Astar Network(ASTR)」とも2022年8月にパートナーシップを結んでおり、まず開発者がAstar NetworkでdAppsを作成しやすくするためのAPI等を作成するとしている。
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