ゲームエンジン「Unity」、アセットストアでMetaMaskやSOL・APT等向け開発ツール提供
Unityが分散化カテゴリー設置
米国の大手ゲーム技術企業Unityは2月28日、Unityアセットストアに「ゲーム向けの分散型技術」カテゴリページを設置したことを発表した。
Web3(分散型ウェブ)ゲーム開発に役立つ検証済みツールボックスを提供しており、暗号資産(仮想通貨)ウォレット「MetaMask」やソラナ(SOL)ブロックチェーン向けSDK(開発キット)など、13種類のソリューションを提供する。
ゲームエンジンとは、ゲームを簡単に作るためのツール。映像や音などの処理を行い、開発を効率化できるソフトウェアの総称だ。
ゲームエンジン大手Unityは、マルチデバイス、拡張現実・仮想現実、2D・3Dゲームに対応。Program-Aceによれば、モバイルゲームでUnityは市場のトップ1000タイトルの71%を占め、同エンジンを搭載した200万以上のゲームのユーザーベース (開発者 + ユーザー) は27億人に上る。Web3領域では、The Sandbox、Decentraland、DOGAMIなどの有名タイトルがUnityを使っている。
延べ16,000以上のツールが掲載されているUnityのアセットストアに、このほど新たに「ゲーム向けの分散型技術」カテゴリが設けられた。
開発者にとって、アセットストアを通してビデオゲームに統合できるWeb3ツールやプロトコルを簡単に探せるようになった。
Web3とは
現状の中央集権体制のウェブをWeb2.0と定義し、ブロックチェーン等を用いて非中央集権型のネットワークを実現する試みを指す。代表的な特徴は、仮想通貨ウォレットを利用したdAppsへのアクセスなど、ブロックチェーンをはじめとする分散型ネットワークのユースケースがある。
▶️仮想通貨用語集
13種類のWeb3ソリューション
Unityアセットストアでリストされている13種類の「検証済みソリューション」には、MetaMaskやInfuraなどのイーサリアム仮想マシン(EVM)互換プラットフォームを初め、アルゴランド(ALGO)、Aptos Labs(APT)、フロウ(FLOW)、ImmutableX(IMX)、ソラナ(SOL)、テゾス(XTZ)などのL1・L2ブロックチェーンに対応するSDKが含まれている。
具体的には、デジタル資産の管理、スマートコントラクトのセットアップ、ブロックチェーンネットワークの構築などが可能になる。
ゲームにおける分散化について、Unityは「ゲーム内の所有権に関するモデル」に関するものと定義。プレイヤーがゲーム内のリソースを作成、獲得、または取得して、販売・取引できるようにするメカニズム」と説明している。
ゲームにおける分散化技術の例としては、スマートコントラクト、仮想通貨ウォレット、NFT(非代替性トークン)、仮想通貨などがある。
アセットストアの「検証済みソリューション」は、Unityが正当で信頼性があり、進化していると審査したものだけが認定される。要件としては、大衆向けの企業によって作られ、信頼できる機能とサポートを備え、定期的にメンテナンスされていることなどがある。
近年、従来の大手ゲーム企業によるWeb3展開が加速。国内ゲーム大手企業コナミ デジタルエンタテインメントや、グリーもWeb3関連サービスの提供に向けて動き出している。
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米Coinbase Institutionalは2023年の展望に関するレポートで、NFTを導入する従来のゲーム企業が、Web3(分散型ウェブ)の新興プロジェクトよりも支持を集めることになると強調していた。
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「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します