米シルバーゲート株価暴落 米コインベースらとの取引停止を受け

財務上の懸念を受けた取引停止

米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは2日、シルバーゲート・キャピタル銀行との送金取引を停止すると述べた。シルバーゲートの財務状況についての懸念が浮上していることを受けたものだ。他の仮想通貨企業でも同様の動きが続いている。

コインベースは、次のように説明した。

最近の動向を考慮し、慎重を期して、コインベースは今後シルバーゲートとの間の決済取引を行わない。また、機関投資家顧客の現金取引を、当社の他の銀行パートナーと行う予定である。

コインベースから顧客に送られたメッセージによると、機関投資家や企業に取引・カストディを提供するサービス「Coinbase Prime」のユーザーに関しては、法定通貨の引き出しや預け入れを、Signature Bank銀を介して行うとしている。

また、コインベースの広報担当者は「当社はシルバーゲートに対して最小限のエクスポージャーしか持っていない」とコメントした。

エクスポージャーとは

投資家や機関の保有する金融資産のうち、価格変動リスクやカウンターパーティリスク等に直接さらされている金額や残高、比率のこと。

▶️仮想通貨用語集

シルバーゲートは1日、米証券取引委員会(SEC)に提出した書類の中で、「自己資本が十分でない」可能性があり、「事業を見直している」と述べたところだ。この発表後、株価は50%以上急落している。

出典:Tradingview

シルバーゲートは、「12月31日に終了した会計年度の報告書について、3月16日の期限までに完成させることができない」としており、証券ポートフォリオの減損に関してさらに損失を計上する見込みだとも説明している。

これに伴い、同社は現在、事業体制や規制上の課題の点から、事業と戦略を見直しているところであるとも続けていた。

シルバーゲートは1月、2022年4Q(10月~12月)の暫定的な財務指標を発表。顧客のデジタル資産の預金額が22年9月末の約1.6兆円(119億ドル)から12月末の約5,200億円(38億ドル)へ激減しており、経営状況が厳しいと報告している。

関連米シルバーゲート、22年4Qに仮想通貨関連の預金額が激減 従業員40%削減へ

関連:大規模ロスカット伴いビットコイン急落、仮想通貨事業手がけるシルバーゲート銀行持株会社の株価暴落

Paxos、ギャラクシーデジタルなども声明

シルバーゲート銀行との取引を停止するとした仮想通貨企業はコインベースだけではない。

ステーブルコイン発行企業Paxosは、シルバーゲートに対する実質的なエクスポージャーは有しておらず、シルバーゲートとの間の送金を停止するとした。様々な銀行パートナーとのネットワークを活用していくと続ける。

その他に、マイクロストラテジーやギャラクシーデジタル、Bitstamp、Crypto.comなども同様の姿勢を示しているところだ。USDTを発行するテザー社のパオロ・アルドイノ最高技術責任者も、「テザー社はシルバーゲートに対するエクスポージャーを持たない」と述べた。

関連:大規模ロスカット伴いビットコイン急落、仮想通貨事業手がけるシルバーゲート銀行持株会社の株価暴落

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用
「仮想通貨」とは「暗号資産」のことを指します

コメントしてBTCを貰おう 新着ニュースをチェック

速報

新着記事

人気記事ランキング