米国株一進一退 米PPI鈍化やクレディ・スイスの信用不安拡大で|16日金融短観
3/16(木)朝の相場動向(前日比)
- NYダウ:31,874ドル -0.8%
- ナスダック:11,434ドル +0.05%
- 日経平均:27,229円 +0.02%
- 米ドル/円:133.3 -0.6%
- 米ドル指数:104.7 +1.1%
- 米国債10年:年利回り3.46 -4.8%
- 金先物:1,923ドル +0.6%
- ビットコイン:24,555ドル +0.3%
- イーサリアム:1,663ドル -1.8%
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本日のニューヨークダウは反落し-280ドルで取引を終えた。15日に報道されたスイスのクレディ・スイスへの信用不安が市場の重石となった。
スイスの大手金融グループ クレディ・スイスは14日に財務報告で、2021年と2022年の財務報告で内部管理に問題があり「重大な弱点がある」と明らかにしたほか、15日には海外メディアが同社の筆頭株主であるサウジアラビアの金融機関が追加の投資は行わない意向だと報じた。経営に対する懸念が高まっており、同社株価の30%以上の急落に連れてフランスの大手銀BNPパリバや、ソシエテ・ジェネラル銀も10%以上大幅に下落した。
欧州の銀行株全面安を受けて、ストックス欧州600指数は一時3%余り下落し、S&P500種株価指数の下げも一時2%を超えた。先日の米シリコンバレーバンク破綻による連鎖的な金融リスクが欧州まで広がった格好だ。
前日はFDICやFRBなど米当局が積極的な金融対応を打ち出したことや予想範囲内のインフレ指標(CPI)を受けて、金融システム全体への波及は限定的との楽観論が広まったものの、グローバル規模で金融システムへの懸念が2008年以来再燃した。一方、スイス国立銀行(中央銀行)はクレディ・スイスに対して必要なら流動性を供給すると述べた。なお、米財務省はクレディ・スイスの状況を監視しているという。
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米2月PPI
一方、市場は昨夜発表のPPI鈍化にポジティブな反応をしていた。
関連:米国株・ナスダック反発 CPI伸び減速|15日金融短観
2月の米生産者物価指数は市場の予想外に低下し、インフレ圧力の緩和を示唆した。前月比ベースで予想外に12月来のマイナスとなり、前年比では伸びが1月から予想以上に縮小し21年3月来で最小に。前日に発表された2月のCPIは依然根強いインフレを示したが、サプライチェーンの改善やコモディティー価格の下落がPPI鈍化の背景にあった。
また、米商務省が同時刻に発表した2月小売売上高は前月比‐0.4%と予想通りとなり、1月+3.2%からマイナスに落ち込んだ。インフレ鈍化の兆候を受けて、来週FOMCの0.25%利上げ観測は後退し、利上げ停止の観測とおよそ50:50になっている。なお、米国債相場は上昇した。
3月経済指標(日本時間)
- 3月23日3時(木):米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利発表、議長の定例記者会見
- 3月30日21時30分(木):米10-12月期四半期実質国内総生産(GDP、確定値)(前期比年率)
- 3月31日21時30分(金):米2月個人消費支出(PCEコア・デフレーター)(前月比・前年同月比)
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米国株
米銀行株は全面安となったが、PPIの結果などを受けて終盤にはIT・ハイテク株中心に買い戻された。
個別銘柄の前日比では、NVIDIA+0.7%、c3.ai-1.2%、ビッグベア.ai-4.8%、テスラ-1.5%、マイクロソフト+1.8%、アルファベット+2.3%、アマゾン+1.4%、アップル+0.3%、メタ+1.9%、コインベース+2.9%、シルバーゲート・キャピタル+0.8%。
ドル円
ドル円は1ドル=133.3円、前日比-0.6%。ドル円はクレディ・スイスの経営危機への警戒化が広がり、リスク回避の流れが加速する中、ドルが売られ米国債が買われた。その後スイス金融当局が流動性を確保し、安定化を維持する姿勢示したことなどを受けて買い戻された。
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今週のGMラヂオ
今週金曜日3月17日(金)の12:00からは、第13回GM Radioを開催予定。L1ブロックチェーン「Sui」の開発企業Mysten Labsの共同創設者Evan Cheng CEOを招待している。
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なお先週のラヂオのアーカイブはこちら。
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